エクソシスト
1973年アメリカ監督:ウィリアム・フリードキン
出演:エレン・バースタイン、マックス・フォン・シドー、ジェーソン・ミラー
(´▽`)つ★★★★☆
<ストーリー>
北イラクの古代遺跡で、古生物学者でありカトリックの神学者でもあるメリン神父は、発掘中に悪霊パズズの偶像を発見した。
一方、ワシントンのジョージタウンで、映画ロケのために一人娘リーガンと共に仮住まいをしていた女優クリス。
屋根裏で響く物音に悩まされていた時、娘のリーガンに異変が起き始めた。
そして、クリスが出演する映画の監督バークが転落死をする。
1949年に少年に悪霊が取り憑いた話に基づいて書かれた小説を映画化し、忠実に描かれているそうです。
オカルト映画の最高峰とも呼ばれている作品。
私は真面目に、この作品は苦手です。子供の頃に観て、ショックで熱を出してしまい、人生に於いて初めて「眠れない夜」という経験をさせられた作品だからです。
当のアメリカではR−18指定になり、イギリスでは20世紀末までTVなどでの放映も禁止されたらしいですね。
日本では、子供でも観れる環境にあった・・・ということで、そのお陰で・・・_| ̄|○
それからずっと私はこの作品は封印してきたのですけど、デリケートさを失いタフな大人(?)になった今、勇気を出して改めて観てみました。
この作品のテーマは「信仰」とか「宗教」って何?・・・ということだろうと思います。カラス神父は、自分の信仰心のなさに神父を辞めようとしていた。
そこへ母親の死・・・それによって罪悪感が自分を襲い、益々自信を無くしていくんですねー。
一方で、女優クリスの娘の様子がおかしくなっていく。
病院で診てもらって、脳波や脊髄まで調べるけれど異常が無い・・・精神異常じゃないかと催眠療法もやるのだけれど、原因がわからない。
科学的、医学的なことと宗教の境界線は何?ということも投げ掛けています。
その脳波だかを調べる検査で、喉元に針を突き立て、そこから血がピューッと噴出すシーンは、キツイです・・・はぁ。。。。
で、なんだかんだで悪魔祓いに行き着くんですけど、やはりリーガンの凄い顔は今観ても気持ち悪いし怖い・・・。
特殊メイクを見慣れてる今でさえ、ちょっと勘弁して下さい!なお顔です。
まぁ、首がグルッと回ったり、緑色の液体を吐く辺りは今観るとコミカルにも見えるんですけど、この作品に漂う不気味な雰囲気は凄いものがありますね。直接的な怖さを煽るのではなく、雰囲気で地味目に怖さを煽るから、この作品は重くのしかかった恐怖心を植え付けるんでしょう。
悪霊パズズが段々忍び寄ってる描写は巧みで細かいです。
でも、今は禁止されてるサブリミナル効果も使っていて、不気味な顔が一瞬映像に入ってるというのも、怖さを追求した所以でしょうかねぇ?
信仰心や自信をなくしていたカラス神父がそれらを取り戻した、ということでラストへと結びついていくのです。
改めてこの作品を観て、「悪魔祓いのシーンって、こんなに短かったっけ?」と驚きました。
あの修羅場なシ−ンが長く感じた子供の頃・・・不思議なものですねー。
あと、平和そうなイラクの街並みと人々の様子を見て、なんとも複雑な気持ちにもなりましたが・・・。
ちなみに、この映画で使われてる有名な「チューブラ・ベルズ」は、平和をイメージした曲だそうですが、あれが怖さを引き立ててるんですよね〜。

死なない脳
1959年アメリカ監督:ジョセフ・グリーン
出演:ハーブ・エバース、バージニア・リース
(´▽`)つ★★★★☆
<ストーリー>
人体実験にとりつかれてている医学者が別荘で共に実験をしている仲間からの連絡を受け、恋人と一緒に別荘に向かう。
ところが車のスピードを上げすぎて事故を起し、死んでしまった恋人の頭部を抱え、別の肉体と接合して再生しようと試みる。
※ネタバレ含んだ記事です。
「死なせて・・・死なせて・・・」という女性の声で始まるこの映画。
ツッコミどころがあったり、チープな雰囲気はするものの、これがなかなか怖い映画でした。
時代的に、移植手術というものに関してどのような時代だったのかは知らないんですけど、生命倫理に於いても恐ろしい展開。車の事故で恋人が死んでしまい、その現場から頭部を拾って洋服にくるんで人体実験をしている別荘に、男はフラフラしながらも辿り着く。
そこでどうすんのか?と思ったら、何やらわからない液体を頭部に注入すると、恋人の頭部が生き返るんですねー。
散々な事故だった割には、キレイなお顔のまんま・・・とも思いましたが、逆に頭部だけ生き返るなんて、今どきのB級ホラー並みの発想なんですけど、当時は相当ショッキングだったんじゃないかと思います。
恋人の頭部は生き返り、ちゃんと思考もあって、喋ることもできる。だからこそ、頭だけになった自分の存在がわかり、そんなまでにして生かせておくことを恨み始める。
絶対に許さんからな〜〜〜!と・・・コワイ。
で、人体実験を数々受けて、いろんな人間の部分を移植されてモンスター化しちゃった人間が隣の部屋に監禁されていた。
そのモンスターと恋人の女性は気持ちが通じ合い、仕返しを始めることに・・・女性は頭脳を、モンスターは肉体と力で・・・。
一方、恋人の「身体」を求めて女漁りを始める医学者の彼氏。
踊り子や道を歩く女性の身体をチェックしながら、あちこち回ってる。
恋人を再生させようと愛情で必死というよりは、移植実験するぞー!とウキウキしている感じ。
それに、舐めるように女性の身体を物色してるから、鼻の下が伸びまくっております・・・。
移植した場合、拒絶反応ってものがありましよね?その問題も、この映画ではクリアされています。
だから、まったく他人の身体を移植しても全然大丈夫だぜぃ!ってことになっています。
そして、恋人の身体になる女性を決めた男は、騙して別荘に連れてきて睡眠薬を飲ませる。
「自分の命を再生するために他人の命を奪う」という行為に、怒りの頂点に達した恋人に導かれたように、モンスターが施錠されてる部屋のドアを突き破って出てきます。
そのモンスターは、容姿が余りにも不気味で公開当時はかなりショッキングだったようです。
今の時代からすればそれほどでもないですけど、50年近く前にしては怖い容姿です。
とにかく、発想が凄いです。
「フランケンシュタイン」を彷彿させますが、案外こういう映画の方が怖さを感じさせますね。
恋人の笑い声が凄いインパクトありました。
生首が笑うんですからね・・・怖いよ。

激突!
1971年アメリカ監督:スティーヴン・スピルバーグ
出演:デニス・ウィ−バー、ジャクリーン・スコット
(´▽`)つ★★★★☆
<ストーリー>
デビッドは貸したお金を返してもらうため、知人の元へと車を走らせていた。
道中、40トンのタンク・ローリーに道を阻まれた。
デビッドはスピードを上げ、何気なくタンク・ローリーを追い抜いた。
ところが、タンク・ローリーはその直後にデビッドの車を追い抜き、前方をふさいだ。
デビッドが再びタンク・ローリーを追い抜き、スピードを上げ距離を広げたが、タンク・ローリーもスピードを上げ背後に付き、煽り始めた。
リチャード・マシスン自身が車を運転していた時に経験したことを基に原作・脚本し、スティーヴン・スピルバーグが監督をしたTV用のサスペンス。
この作品は怖いです。何が怖いかって、本当に日常で有り得る話だからでしょうねー。
車を追い抜くことなんてよくある行為。
しかし、その追い抜いた車から執拗に追いかけられるなんて思ってもみない。
そして、前方にトラックなどの大型車って本当に邪魔。
視界を妨げられ、走りにくいですから。
車を運転してる者なら、誰にでも経験があることを題材にしてるからこそ、その恐怖が身近に感じられるんですね。
それと、この作品の恐怖の根底には”不明”な点が存在していること。
まずタンク・ローリーの運転手の顔が見えません。
どんな人物なのか予測もつかないんです。
そして、デビッドを追いかける理由がわかりません。
この「誰が?なんで?」という点がはっきりしないと、人間は不安になります。
不安がエスカレートすると、それは恐怖になります。
そういったことに加え、カメラアングルがとても良いんですねー。だんだん、タンク・ローリーが怪物のように見えてきて、それ自体に意思があるかのようです。
「運転手に追いかけられてる」というよりは、「タンク・ローリーに襲われている」という雰囲気ですね。
トンネルの中で潜んで、こちらの様子を覗っているように停車していたタンク・ローリーのライトがパッと点いたシーンは印象的。
でも、細かいことを言えば、デビッドの対処の仕方にイライラ・・・。
タンク・ローリーって会社が所有してるだろうし、タンクに文字が書いてあるんだから、そこを突けよ・・・とか、思ってしまいましたわ。
「そういうことに遭った時、自分ならどうする?」ってことも、観ながら誰もが考えるでしょうから、多少イライラした部分は否めません。
人様のものを巻き込んで破壊しても、謝りませんよデビッドさん。
サッと逃げちゃうし。
それとこの作品、なんとなく情けない男の話という側面もある気がします。デビッドが運転中に聞いていたラジオから、「国勢調査」に関しての会話が流れていましたが、その会話の内容やデビッドが奥さんに電話した時の会話から察する夫婦間の力関係・・・しかもデビッドの苗字は「マン(MANN)」
タンク・ローリーに追いかけられ、途中から開き直ったようにデビッドは挑発し始めるんですが、上手くいかなかったり・・・。
ラストもそういう意味からすると、何かが漂ってるなという感じですね。
「で、どうするの?この先」と声でもかけてあげたい雰囲気でした。

















