幸せのちから
2006年アメリカ監督:ガブリエル・ムッチーノ
出演:ウィル・スミス、ジェイデン・クリストファー・サイア・スミス、ダンディ・ニュートン
(´▽`)つ★★★☆☆
<ストーリー>
1981年、サンフランシスコ。
クリス・ガードナーは骨密度を測定する医療機器のセールスをしていた。
しかし、価格が高い機器はなかなか売れず、家賃などの支払いが滞っていた。
やがて妻には愛想を尽かされ、家賃の滞納でアパートの立ち退きを命じられたクリスは、5才の息子と安モーテルで暮らし始める。
そんな中、大手の証券会社研修生に合格し、半年後たった1人だけが採用される研修に望みを託すが、所持金が底を尽き、ホームレス生活を余儀なくされる。
実在の人物が体験したサクセス・ストーリーを映画化した作品。
ウィル・スミスは、自分の息子と共に親子を演じたことでも話題になりました。
原題は「THE PURSUIT OF HAPPYNESS」で「Happyness」は、劇中で息子を預けている託児所の壁に書かれている文字で、クリスが何度も「Yではなくて I だ」と言ってた「Happiness」の間違った綴りをあえてタイトルにしていますね。日本語でこじづけたら、「幸せってのは I (愛)がなくちゃ」ってところでしょうか?
そして、邦題では「幸せのちから」ですけど、本来の意味はアメリカ独立宣言の文言にもある「幸せの追求」ということです。
「幸せのちから」にすると、既存している幸せ・・・って意味合いになりますので、邦題の場合は「幸せ」とは息子の存在とも取れるニュアンスで、意味深くはなりますけども。
この作品は、ラストよりも途中のエピソードが重要だと思います。そして、クリス氏の場合はよく言われる「アメリカン・ドリーム」ではないと私は思いました。
彼は一晩で富豪になったんでも、棚からボタモチで「幸運」がたまたま転がり込んだわけでもありません。
息子に繰り返し「パパを信じて」と語っていましたが、自分自身に言い聞かせていたんでしょうねー。
自分の身だけならともかく、子供を連れてどん底を味わうのは、親として本当に辛かったろうと思います。
ひと気のない深夜の地下鉄で、タイムマシーンごっこやトイレで寝るシーン・・・この作品の中で唯一泣けたシーンです。
まぁ、妻に何時間も働かせながら家賃も満足に払えずに生活が破綻しちゃう辺りは、情けない男・・・と言えばそうでもあります。ホームレスから伸し上って成功した黒人・・・ということで、飛びつきやすいネタではありますけどね。
でも、1981年辺りは黒人への偏見は実際きつかったろうと思いますし、映画で描かれていたよりも大変だったかもしれません。
そんな中でも、道を外すことなく貫き通したことが素晴らしいですね。
この作品でのウィル・スミスは走ってることと、骨密度測定器に振り回されてる印象しかなかったですけど、息子のクリストファーくんが可愛い。
そして何と言っても、実の親子だからこそ醸し出される2人の雰囲気がとっても良かったです。

サイレントノイズ
2005年カナダ=イギリス=アメリカ監督:ジェフリー・サックス
出演:マイケル・キートン、チャンドラ・ウェスト、デボラ・カーラ・アンガ−
(´▽`)つ★★☆☆☆
<ストーリー>
建築家のジョナサンは、再婚した妻アンナと前妻との子供マイケルと3人で暮らしていた。
ある日、外出したアンナが行方不明となり、心配しているジョナサンの前にレイモンドという男が現れる。
彼は、既にアンナはこの世にはなく、EVPに録音されたアンナの声を聞いたと告げる。
最初は相手にもしなかったジョナサンだったが、事故死したアンナの遺体が発見され、レイモンドの元へ訪ねてみたのだった。
AV機器の映像や音声のノイズの中に、異界のものが入り込む超常現象”EVP”をモチーフにした作品。
全米100万人が震撼した・・・らしいんですが・・・。
確かにビックリする瞬間はあります。それは「急に」という演出によるもので、怖くて驚くシーンは皆無。
この作品の率直な感想を言うなら、日本映画「リング」の一部分に似てるけど、全然怖くなかった・・・というところ。
一応モチーフは「EVP」ではあるんだけれど、砂嵐しか映ってないビデオを観てどうのこうの・・・というのは、「リング」みたい。
この作品、ジョナサンの奥さんが事故死してしまい、奥さんの声がEVPに録音されたよ〜ってことで、本当は事故死じゃないってことを伝えて、ジョナサンが真相解明に乗り出すのかな?と思ったら、まったく違いました。
この作品がダメだった理由は、何よりも脚本が原因。ジョナサンが再婚だということと前妻との子供マイケルと一緒に生活している背景に意味を見出せなかったですね。
映画全体、ジョナサンが息子と絡んだシーンがほとんどなくて、前妻に息子を任せっきりだったのは気になりました。
強いて言えば、息子と一緒に生活していたことはラストのワンシーンで活かされた程度。
そして、EVPにのめり込んだジョナサンはアンナの姿をようやく見るんですけど、EVPで予知した映像を見せ、アンナはそれに対して助けるようにジョナサンを促すんです。
この辺から、人助けのジョナサンが描き出されていくんですねー。
でも、アンナがジョナサンに人助けをさせる理由が最後までわかりませんでした。
ジョナサンが霊能力者から「霊界と接触することと干渉するのは違う」と警告されたことや、レイモンドの元に訪れたことのある人がEVPに予知的な映像として映ることや、悪霊の物理的な攻撃なんかの関連性がイマイチわかりにくかったですね。そして、少女の誘拐事件との関連性も。
まぁ、結局アンナはジョナサンに息子と平穏な暮らしをさせることより、人助けに走らせたわけですが・・・。
ラストの方での悪霊の描き方、あれはシラケました。
オチもダメですし。
この作品自体、人間の死を安易に描きすぎてるのも違和感がありました。
で、字幕の付け方も工夫して欲しかったなぁ〜・・・ノイズから微かに聞こえてくる声なのに、パッと字幕で出されると・・・これは、贅沢な要求でしょうけどもね。

ウォーク・ザ・ライン 君につづく道
2005年アメリカ監督:ジェームズ・マンゴールド
出演:ホアキン・フェニックス、リーズ・ウィザー・スプーン、ロバート・パトリック
(´▽`)つ★★★☆☆
<ストーリー>
ジョニ−はラジオから流れてくるジューン・カーターの歌声を心の拠所にする、音楽好きな少年だった。
そんなジョニ−は最愛の兄を事故で亡くし、父親からの冷たい言葉に傷つき、家族とは距離を置くようになる。
成長したジョニ−は空軍除隊後、初恋の相手ヴィヴィアンを結婚をしたが、音楽への夢を募らせていた。
ある日、仕事で街を歩いている時に音楽スタジオでオーディションをしてることを知り、自作の曲で挑戦をする。
見事に合格したジョニ−は、仲間と共にプロのミュージシャンの道を歩み出す・・・。
「Wan in Black」という愛称で親しまれたミュージシャン、ジョニ−・キャッシュの半生の自伝を基に映画化。
劇中の歌は、ホアキン・フェニックス、リーズ・ウィザー・スプーン自身が歌っています。
実在のミュージシャンの半生を描いた作品は多く、この作品もやはりアルコール、ドラッグなどでヘロヘロになった主人公。ジョニ−・キャッシュというミュージシャンは知らなかったので、余り先入観もなく観ることができましたが、「またドラッグか」という気持ちにはなりました。
でも、この作品の場合はジョニ−とジューンの関係に的を絞っていたので、ラブ・ストーリーの要素が強かったですね。
実話ということなんですけど、どうも感情移入がしにくかったです。ジョニ−の家庭に対する気持ちも、ジューンに対する気持ちも、ちょっと漠然とした印象でした。
ヴィヴィアンも結婚生活に冷めてるのかと思いきや、ジューンに嫉妬してみせたり、彼女はジョニ−にどうして欲しいのかわからないままでしたし・・・。
全体に人間関係の描き方が希薄で、誰が何をどうしたいのかが伝わってこなかったのが残念なんですねー。
ただ、ホアキン演じるジョニ−が事故で亡くなった兄の話をジューンにしている時、どうしてもホアキン自身の兄リヴァ−のことを重ねてしまって、泣けてしまいました。
「兄はいい人だった・・・自分が死ねばよかった」というセリフは、胸にズキーン・・・
ジョニ−という人は、きっと自分の殻にこもる人だったんでしょうね。良い子だった兄が死んだことが自分の責任だと思い続け、その責任に押しつぶされそうだったんでしょうか?
父親との冷めた関係もそれの影響でしょうし、ジョニ−自身も家庭に対して距離を置いてきてしまい、娘たちとも別れる結果に繋がった・・・。
そんなジョニ−の側に寄り添ってくれたのがジューン。
ジョニ−が子供の頃からジューンの歌声を聞いて、それに慰められてきた・・・ということで、運命的な関係ってことでしょうかね?
ジョニ−の父親役に「ターミネ−ター2」のロバート・パトリック。
すっかりお爺ちゃん役が板についていて、年月の流れを感じてしまいましたよー・・・。


















