リトルショップ・オブ・ホラーズ
1986年アメリカ監督:フランク・オズ
出演:リック・モラニス、エレン・グリーン、スティーヴ・マーティン
(´▽`)つ★★★☆☆
<ストーリー>
スキッド・ロウの寂れた花屋の店員シーモアは、女店員のオードリーに思いを密かに寄せる気の小さい男。
ある皆既日食の日、珍しい植物を育てることが趣味のシーモアは不思議な鉢植えと出会い購入する。
その鉢植えの植物に”オードリー2”と名付け地下室で育てていたが、閑古鳥のなく花屋の窓辺に置いてみると、客が次々にやってきて店は大繁盛。
しかし、徐々にオードリー2の元気がなくなり、あれこれ手を尽くして世話をしていたシーモアは、オードリー2に必要なものを知るのだが・・・。
1960年製作のロジャー・コーマンが2日で撮影したオリジナル、B級ホラー映画を基にしたミュージカル舞台劇を映画化した作品。
オリジナルとは違い、この作品はミュージカル仕立てということと、制作費がかなり違う・・・ってことでしょうか。
音楽を作曲したのが、今はディズニー御用達となっているアラン・メンケンということで、それぞれのシーンに合わせた曲がなかなか良いです。リック・モラニスが頑張って唄ってる、かなりナーバスなナンバーのスキッド・ロウを唄った歌も良いですし、3人娘の歌で繋いでいく辺りも楽しめます。
貧困街のスキッド・ロウのセットもなかなか。
観ている人を貧困街の世界へと導いてくれます(?)
そんな中でも、オードリーが雑誌を見ながら夢のマイホームを妄想するシーンは結構好きですねー。
エレン・グリーン演じるオードリーは、見たからに男運が悪そうなキャラで、そのオードリーの彼氏が超サディストな歯医者。その歯医者を髪を黒く染めたスティーヴ・マーティンが演じてます。
バイクにまたがり、ロッケン・ローラーしてます。
もうこの作品は、彼がいたからこそ・・・と言っても過言じゃないほどのキャラで、患者が痛がるのを楽しめるから歯医者になった人。
麻酔のガス吸ってハイになってる表情は最高ですよ〜。
そして、もしかしたら一番の見せ所は、超Mな患者役ビル・マレーとサディスト歯医者役のスティーヴ・マーティンの掛け合いじゃないかな?ってくらいに、2人は面白かった。この作品には、ビル・マレーの他にジョン・キャンディーやジェームズ・ベル−シーなんかが出ていて、その時代に名を馳せていたコメディ俳優がズラリとご出演っていうのも嬉しい。
監督がフランク・オズですからねー。
で、肝心の”オードリー2”なんですけど、マペットで撮影したそうです。小さい時のオードリー2の口が可愛いんですよー。
チュパチュパする口とか。
ちょっと成長する時も、「ふん!!」と力んでるのも面白い。
オードリー2は、一応地球を征服しにやってきた植物なんです。
大きくなると大きな口開けて不気味なんですけど、公衆電話をかけた後に釣り銭をチェックしたりと、案外細かい。
しかし、こういう作品をミュージカルにしちゃう発送がそもそもユニークですよねー。
オリジナルは未見ですけど、登場人物はみんな変人だということで、見てみたい。
ちなみに、ビル・マレーがやった痛いことが快感の超Mな患者をジャック・ニコルソンが演じてるんですね。
↓かなり若い!


ミシシッピー・バーニング
1988年アメリカ監督:アラン・パーカー
出演:ジーン・ハックマン、ウィレム・デフォー、フランシス・マクドーマンド
(´▽`)つ★★★★☆
<ストーリー>
1964年6月、ミシシッピー州ジュサップの町で起きた3人の公民権運動家の失踪事件。
その事件を重く見たFBIから、2人の捜査官が派遣された。
現場経験豊富で叩き上げのルパート・アンダーソンとエリートのアラン・ウォードの捜査は、町の人々の非協力的な態度や敵意すら向けられ、なかなか進展しなかった。
そんな中、アンダーソンは、保安官スタッキーとその仲間たちが事件に関わってると確信し、スタッキ−の妻から事件の糸口を探ろうとする。
「フリーダム・サマー」と呼ばれる1964年6月に、実際に起きた公民権運動家殺人事件をモデルにして描いた作品。
登場人物の人名や地名、何箇所かは創作した部分はあるものの、当時の事件で逮捕された保安官から訴えを起された映画で、言い換えれば、なかり核心を突いている作品であると言えましょう。
まずは、公民権運動家たちの目的は何か?と言いますと、当時でもアメリカ憲法には黒人の投票権を保障する文言はありましたが、白人の投票権は簡単に登録できる一方で、黒人には試験などを導入して簡単に投票権が登録できないようなことをしている状態だったそうです。で、アメリカ国内で最も黒人の投票権登録数の少ないミシシッピー州をターゲットに、いくつかの公民権運動グループが「COFO」という統合した組織を作り、その中から派遣された3人がミシシッピー州で失踪した・・・という事件がこの作品のモデルです。
黒人差別は南部が強い・・・という認識は周知のことですけど、ほんの40年前にこれほど酷い差別がまかり通っていたことに驚愕します。「K.K.K.」という組織の存在も知ってる人は多いですが、この組織は対象が黒人ばかりではなく、ユダヤ人、有色人種、黒人側に付く白人、白人であってもよそ者・・・などなど。
中にはナチスを崇拝する者もいて、鍵十字なんかも用いることがあるそうです。
この作品では、捜査官2人は町の平和を乱す「よそ者」であり、彼らに協力する者も裏切り者として容赦なく家を焼かれたり、暴行を受けたりします。
こういう、言わば徹底的な差別主義者の行為を見せられ、良い気分がするはずもありません。
映画を観ながら嫌悪感や怒りさえ抱くのは初めてかもしれない・・・。
ここまでの非道を描くのも、虐げられた人たちの感情を疑似体験させるつもりだったんでしょうか?
少なくとも、私には効果てき面でしたよ(;・∀・)
そして、映画の中では説明していませんけど、犯人たちは誰一人として「殺人」で起訴されていません。罪が軽いなぁ〜と思っていたら、殺人で扱うと州の管轄になって、馴れ合い裁判になることが懸念されたため。
「公民権を覆す陰謀」であれば、連邦政府に訴えることができるからなんですね。
有罪になった場合は最高刑は10年の服役、罰金5,000ドルと殺人罪よりも軽くなりますが、実際の事件では地方裁判所は一審、二審ともに無罪を言い渡したため、メディアンの連邦裁判所に持ち越され、ミシシッピー州に於いて白人が黒人を殺害して有罪になった初のケースとなりました。
ちなみに、この事件は最近になって新たな展開になったことをご存知でしょうか?2004年、州司法省は「3人の殺害事件を2005年の初めに決着をつける」という談話を発表したんですねー。
それで、2005年1月、フィラデルフィアのK.K.K.のリーダーだった人物(80才)が逮捕されました。
当時を知る証人も多くが亡くなっていましたが、何人かの証言を得て、陪審員による「有罪」の評決、そして懲役刑の有罪判決が言い渡されました。
ちょうど「フリーダム・サマー」で起きた事件と同じ日だったそうです。
その後は州最高裁へ控訴したらしいですけど。
この公民権運動の発端になった、黒人による「バス・ボイコット」を描いた映画「ロング・ウォーク・ホーム」もあります。

ミッシング
1982年アメリカ監督:コンスタンチン・コスタ・ガプラス
出演:ジャック・レモン、シシー・スペイセク、メラニ−・メイロン
(´▽`)つ★★★★☆
<ストーリー>
1973年、チャールズ・ホーマンと妻ベルは、世界の現状を知るためにアメリカを出て、南米に住んでいた。
9月のある日、クーデターが起こり、戒厳令が出され緊迫した状況になった。
数多くの検問所ができ、空港は閉鎖され、電話も不通。
そんな中、友人の様子を見に行ったべスが家に帰宅すると家の中が荒らされ、チャールズの姿がなかった。
チャールズの失踪を知ったニューヨークにいる父エドワードは、現地に飛んだ。
大使館に捜索を依頼するが、情報がないまま時間だけが過ぎていく。
'82年度カンヌ映画祭グランプリ受賞作品。
1973年、南米チリで起きたクーデターで失踪したアメリカ青年の事件を基に書かれた、トーマス・ハウザーの「チャールズ・ホーマンの処刑」を映画化した作品。
この映画の背景を知らないと、映画が訴えている本質は難しくて見えにくいかもしれない。私もそうだったけれど、チリにクーデターが起きた事実とその問題点は知らない人は多いかと思います。
チリは1970年、民主的な選挙でアジェンデ人民連合政府が誕生したが、1973年にクーデター勃発。
左派勢力、民主的活動家などを弾圧し、約3100人が死亡。
そして、アウグスト・ピノチェットが大統領に就任した・・・と。
けれども、ここで大きな問題になっているのがアメリカ政府の関与。
2005年のアメリカ議会で、
クーデターにはアメリカCIAと国際電信電話会社(ITT)が共謀し、人民連合政府打倒の陰謀に加担した。
クーデターに際して、当時の大統領ニクソンは48時間前には知っていた。
アメリカの艦隊が合同演習の名目でチリ沖に出動していた・・・などが公表された。
クーデターが勃発したのは1973年9月11日。
いわば、アメリカが起したテロ行為もまた9.11なのです。
映画は、チリの独裁的な政権を樹立させることにアメリカが関与したことを問題提議し、作品としても真摯に作られている。1970年代の初めは、アメリカの若者の価値観に変革が起きた時代。
その流れでアメリカを飛び出した息子夫婦とは疎遠になっていた父親エドワード。
息子の失踪で、息子の妻ベルと一緒に捜索を始めるんだけれど、どうもギクシャクして意見が合わない。
新しい価値観が理解できない父エドワードだけれど、なんとしても息子を探し出そうとする内に、ベルと心が通い合っていく過程が実に丁寧に描かれています。
大使館はあくまでも知らぬ存ぜぬを言い続ける。エドワードとベルは、ようやく逮捕された人が収容されている競技場に入ることができ、チャールズを探す。
エドワードがマイクを使って、たどたどしく昔話を始めていく。
スタンド席に座ってる人をグルリと見回し、必死にチャールズの姿を探す2人。
「ここにいてくれ!」という期待がこもった2人の表情は、ジャック・レモンとシシー・スペイセクの演技力の賜物。
そして、捜索をしていく内、知っていく事実に対する2人の演技は圧巻。
ラストの方で、エドワードと大使館の人物が交わす会話がアメリカという国の本質を曝け出しているのでは?と思います。「貴方の息子ではなかったら、この事件に関心も持たなかったはずだ」というようなセリフがあります。
まさに、私たちがチリのクーデターがあった事実とその背景に無関心であることが、アメリカの陰謀の勝利を意味していると思えました。
アメリカという国の国益は、大企業の利益と切り離せないようです。
一部の人間の利益を守るために、犠牲を払わされる人々がいることを承知しながらも実行する。
それがアメリカです。
※この映画の基になったチャールズの失踪事件に関しての詳しいことは、こちらで読んでみて下さい→「米青年チャールズ・ホーマンの失踪事件解明に新たな一歩」
映画の内容についても詳細が載ってます。
(ネタバレがありますので注意)

















