スティーヴン・キング 痩せゆく男
1995年アメリカ監督:トム・ホランド
出演:ロバート・ジョン・バーグ、ジョー・マンティーニャ、カリ・ウーラー
(´▽`)つ★★★☆☆
<ストーリー>
肥満の弁護士ビリーは、酒に酔ったある夜、車でジプシーの老婆をはねて死なせてしまった。
ビリーは保身のために、旧知の警察署長と判事に頼み、事故を過失扱いで無罪にしてもらった。
裁判所を出たビリーにジプシーの長老レキムが近付き、ビリーの頬を撫でながら「痩せてゆく」という言葉を残し立ち去った。
やがて、痩せ始めたビリーはダイエットに成功したと思い込むが、いくら食べても体重は減り、痩せ続けた。
タイトルにいちいちスティーヴン・キングと付けられると、中には「なんだこれ?」な作品も数々観て失望してきても、つい名前に釣られて見てしまう。
まぁ、彼の作品は一種の賭けでもあるんですが・・・(;・∀・)
この作品にも、スティーヴン・キングがチョイ役で出ております。
これはB級ホラーとして観る方がよろしいでしょう。超肥満の弁護士ビリーは、特殊メイクというのがバレバレなほどのクオリティーですし、顔や身体はデブなのに手がホッソリしているという細やかさもありませんので、そういうもんだという感じで観るればそこそこ・・・。
そんなビリーは、「ビリーズ・ブート・キャンプ」・・・じゃなく、食事で痩せようとしておりました。
それが、ビリーの起した事故と不正に怒ったジプシーは呪いをかけるんですねー。
「痩せてゆく」という・・・肥満の人には有難いような呪いですけど、止まることなく痩せ続けるのは別の話。
しかも、そのジプシーは警察署長や判事にまで呪いをかけていたことを知り、ビリーは恐怖にかられていく。
変な化け物や宇宙人が出てこなくて、「呪い」ということに絞った恐怖を描いていたことが良かった。煽り立てる恐怖ではなく、なんだか恐い話だなぁ〜・・・というのが加減的にも良く、主人公のビリーがグングン痩せ細っていく変り様が不気味。
まぁ、化け物っぽいメイクの方も登場するんですけどね。
そして、白人の差別的な部分を逆手に取ったあたりも面白かった。
ジプシーvs町の白人・・・というカタチなんですけど、それぞれに正義があるのに、白人は自分たちの正義が絶対だと思い込んで、他にも正義があることを考えもしないという皮肉も。
その「町の白人」がジプシーに対し銃で攻撃仕掛けるあたりも、「やっぱり白人は銃なんだな」と納得しました。
そうやって、アメリカは有色人種を虐げてきたんだろうと。
まぁ、そこでジプシーも銃で応戦する辺りは、結局アメリカなんですねーという・・・。
一方でビリーは、奥さんが医者と浮気しているんじゃないかと疑っていく。疑念と嫉妬・・・そして恨みに変っていくんですけど、描き方としては甘いかな。
でもあくまでもB級映画として観れば、それもヨシなんですが・・・。
自分に呪いがかけられ痩せていく以外にも、その「呪う」という精神的状態までも伝染していくかのように、ビリーも人を呪っていく。
スティーヴン・キングは人の狂気をあらゆるカタチで描いていますが、この作品はなかなか良かったと思います。

ミュリエルの結婚
1994年オーストラリア監督:P.J.ホーガン
出演:トニ・コレット、ビル・ハンター、レイチェル・グリフィス
(´▽`)つ★★★☆☆
<ストーリー>
ミュリエルは町の有力者である父の娘だったが、高校は中退し、太っていてブサイク。
友人からも敬遠される存在だったけれど、結婚願望は人一倍強い。
ある日、父親のお金を無断で使い込み、リゾート地へ出向いたミュリエルは、高校の親友ロンダと偶然再会する。
それがきっかけに、ミュリエルは自分を変える決意をして、一路シドニーへ。
日夜結婚相手を探す日々が続くのだったが・・・。
オーストラリア・アカデミー賞で4部門受賞した作品。
「リトル・ミス・サンシャイン」の負け犬一家の主婦役トニ・コレットが、見事なまでにデブになっていたことに驚いた。
この作品のために20キロも体重を増やしたそうです・・・いや、凄い。
この作品は、とことんコメディかと思えばそうでもなく、重いエピソードも挟み込みながらもジメッとしていない、とても不思議な印象を持ちました。それにしても、ぶっちゃけトニ演じるミュリエルのブスさ加減には驚きましたねー。
しかもダサい。
父親は有力者なのに、家の中は到底そんな一族だとは思えないほど、ミュリエルだけではなくて家族までだらしない。
案外オーストラリアは男尊女卑が強いらしく、その辺を極端に描き出したのがミュリエルの一家なのかな?という感じかも。
時は、日本も含めて多くの先進国の女性が社会進出が盛んになっていた時代に、この作品に出てくる若い女性は結婚することが至上命令のような感覚なことに気付く。
オーストラリアでは女の幸せは結婚・・・という認識が1990年代でも根付いていたんでしょうかね?
そして、ミュリエルは1970年代に一世を風靡したコーラスグループ「ABBA」が好きで、ヒット曲「ダンシング・クィーン」のような生き方をしたいと望んでいた。そういうことで、映画には「ABBA」のお馴染の曲がバックに流れるんですが、わざわざ流してるっぽい感じにも・・・。
効果的なシーンもあるんですけど、曲だけが浮いてるようなシーンもあったりで、使いすぎかな?
ミュリエルがロンダと「ABBA」の曲を口パクしながら踊るシーンは、デブってる身体の線を強調するボディースーツなんか着てるもんだから、「頑張ってよくそこまで太りましたね」とある種の感動すら覚えるシーンかも(?)
それにしても、同じオーストラリア映画で同じ年に制作された「プリシラ」といい、「ABBA」流行だったんでしょうかねー?(・∀・)
そういえば、色使いの派手さも良い勝負です。
結局、なかなか結婚相手が見つからないミュリエルは、オリンピックのためにオーストラリアから出ようとする南アフリカの水泳選手との偽装結婚を引き受ける。相手が相手なので、マスコミからも注目される結婚。
ミュリエルは願ってもみない華やかな結婚式を挙げて得意になるんですけども、カッコいい相手の男性が思い切り嫌そうな顔をしていたのには笑ってしまいました。
結婚式に満足するミュリエルだけれど、何か大切なこと忘れてはいませんかぁー?ってことで、それに気付く出来事が起きるんですね。
ラストは爽快です。
ミュリエルのブス・キャラだからこそ、ラストの意味が大きいんですね。
親友のロンダのキャラもなかなか(・∀・)イイ!!

ラスベガスをやっつけろ
1998年アメリカ監督:テリー・ギリアム
出演:ジョニー・デップ、ベニチオ・デル・トロ、トビー・マグアイヤ
(´▽`)つ★★☆☆☆
<ストーリー>
1971年、ジャーナリストのラウル・デュークと弁護士ドクター・ゴンゾーは、ラスベガスで開催される野外オートレースを取材するためにやってくる。
ところが、車のトランクには沢山のドラッグが積んであり、取材そっちのけで一日中ドラッグ三昧だった。
ゴンゾー・ジャーナリズムという分野で有名なハンター・S・トンプソンの同名ルポの映画化。
当初は映画化するのは無理だと言われていたらしい。
音楽はレイ・クーパーの他に、布袋寅泰も参加しています。
感想は、率直に申しますと「わからん」に尽きます。ドラッグによる幻覚などを表現しているような映像の数々・・・だから筋道の通ったストーリー展開はないし、「そこまでやるのか?」と思うほどのハチャメチャぶり。
そりゃ、ドラッグなんぞをやったこともない人間からすれば、ラリってブッ飛んだ感覚などは異次元ですから。
そういう感覚に付き合わされる・・・という感じだったかな?
ブラック・コメディーという触込みですが、アメリカの陰部であった時代がわかるか?わからないか?というところで、映画の評価は分かれるかもしれませんね。
アメリカの1960年代の後半から1970年代の前半まではヒッピーの出現が象徴するように、「平和」という意味を履き違えた若者が多くいた時代だったんじゃないでしょうか?ベトナム戦争に反対して平和を唱えながらも、一方でドラッグまみれになっていた。
政治の方もグダグダだったようだし、必死に高度成長を成し遂げんとする日本に対して、アメリカは内部が落ちぶれていたような印象があるんですよね。
劇中、ホテルのテレビが映し出してたものは、ベトナム戦争。
アメリカは実質戦時中であったにも関わらず、本国ではドラッグやセックスに明け暮れ、新興宗教の出現で妙な価値観を持った若者が生まれた。
そこを踏まえて映画を観ていると、ちょっと視点も変ってくるんだと思います。
ジョン・レノンが「イマジン」を出し、平和な世界を想像してごらん・・・と唄ってた時代に、浅はかにも快楽だけを謳歌する若者たち。それが平和ってもんなら、大したことない。
日本人も多少影響を受けてた人もいたようで、それが俗に言う「団塊の世代」
その辺の皮肉を加味したとしても、私の場合はあらゆる点で胸くそ悪くなってしまったので、星の数は減らしました。
さて、ジョニー・デップ好きの人からすると、この作品は敬遠したい作品って感じでしょうかねぇ?
ジョニーは役作りのために、ハンター・S・トンプソンの家に泊り込んで、しかも自分で髪の毛を抜いてテカテカにしたんだそうですよ。
常にタバコをふかし、がに股でヒョコヒョコ歩く姿。
「ありがとさん♪」と某坂田みたいに言いそうな雰囲気(;・∀・)
そして、デル・トロの腹!!
初めて観た時、この2人の姿に仰け反りそうになりましたよ、私・・・。
クリスティーナ・リッチやキャメロン・ディアスもチョイ役で出ています。
← ハンター・S・トンプソン氏本人です。アメリカでは人気がある方のようで、この映画の評価も高いんですよねー。

















