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パンチライン

パンチ・ライン1988年アメリカ
監督:デヴィッド・セルツァー
出演:サリー・フィールド、トム・ハンクス、ジョン・グッドマン

(´▽`)つ★★★★☆

<ストーリー>
親のコネで入った医大から放校されたスティーヴは、スタンダップ・コメディアンを目指して、毎晩コメディ・ハウスのステージに立っていた。
その同じステージには主婦のライラも立っていたが、彼女のお笑いは客にまったくウケないし、夫からは主婦業に専念しろと言われ険悪な状態になっていた。
それでも人を笑わせることが子供の頃から好きなライラは、客のウケが良いスティーヴから、人を笑わせるために教えを乞うのだが・・・。


この作品は、試写会までやっておきながら土壇場で公開を中止した、珍しい「日本未公開作品」なのです。
試写会での評判がイマイチだったから英断した・・・ってことなんでしょうかねぇ?
今時点で考えると、オスカー女優のサリー・フィールドとオスカー俳優のトム・ハンクスが共演している・・・ってだけでも贅沢な作品。
後にこの2人は「フォレスト・ガンプ 一期一会」で親子役で再共演してます。

ちなみに、「パンチライン」というのは、お笑いの「オチ」を意味するそうです。

punch4.jpg「ビッグ」によってトム・ハンクスは日本でもそこそこ知られるようになりましたが、オスカーを取るまでの作品の知名度はやはり低い。
そんな時期のこの作品は、やはり知名度がすこぶる低いんですよねー。
で、日本で公開されなかったのは、恐らく劇中のお笑いネタが日本人にはウケないっていうのが最大の理由かもしれません。
どうもアメリカ人はシモネタが大好きなようで、そういう話がポンポン出てくるし、笑うというより引いてしまうネタが多いんですねー。
少なくとも、私はステージでのパフォーマンスには笑えませんでした。

punch3.jpgそうは言っても、スタンダップ・コメディアン出身のトム・ハンクスのテンポが良い話術は見ていて楽しめます。
でも彼は脇役で、ストーリーはライラが中心。
ライラのお笑いは客にウケないし、家ではイライラした夫と手のかかる娘たちがいる。
それでもステージを降りたくないライラは、密かにスティーヴから指南を受けていくうち、徐々に2人の間に愛情らしきものが芽生えていくというもの。
お互いがお互いのお笑いに対する情熱を垣間見て、お互いにリスペクトしていったカタチが「愛」だったのかもしれません。

punch5.jpgでも、ライラは美容院で失敗したパーマがきっかけに、自分にとって何が大切なのかを知る。
この辺の描き方がとても良い!
「どうですか!」という押し付けなエピソードじゃなく、笑いながら泣けるシーン。
ライラの夫を演じるジョン・グッドマンのキャラ的に滲み出てくる良さが、終盤はドンドン活かされていく展開が良いんですよねー。

どうしてもプロのスタンダップ・コメディアンになりたいスティーヴと主婦のライラを関わらせながら、お互いがそれぞれ掴んだものとは?
ステージのお笑いネタは面白くないんですけど(日本人にとっては)、映画のストーリーはなかなか良いですよ。

ラストも心がほんのり温かくなります。

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2007年09月22日 映画た〜は行 1980年代 トラックバック:1 コメント:8

ブラッド・ダイヤモンド

ブラッド・ダイヤモンド (期間限定版)2006年アメリカ
監督:エドワード・ズウィック
出演:レオナルド・ディカプリオ、ジェニファー・コネリー、ジェイモン・ブンスー

(´▽`)つ★★★☆☆

<ストーリー>
激しい内戦が続く'90年代のアフリカ、シエラレオネ。
ある日、漁師のソロモンが住む地域に、反政府軍”RUF”から襲撃を受け、ソロモンは家族と引き離されてしまう。
彼はダイヤモンド採掘場で強制労働をさせられるが、採掘中に大粒のピンク・ダイヤを発見する。
密かに隠そうとしている最中に監視に見つかり、その直後に政府軍が来襲。
ソロモンは混乱に紛れてダイヤをある場所に隠す。
一方、ダイヤの密輸をしていた元傭兵ダニーは、密輸の失敗で投獄された。
そこにはソロモンも収容されいた。
そして、ピンク・ダイヤをソロモンが隠していたところを目撃した監視の話をダニーは耳にする。


「ラスト・サムライ」のエドワード・ズーウィックが監督。
こういう社会問題を商業映画に仕立てるのが上手い・・・とされているだけあって、テーマがしっかりしながらも演出がかなりド派手。
ダイヤ業界を槍玉に挙げずに、「ブラッド・ダイヤモンド」に関する事柄に目を向けさせています。

blood-d.jpg事実を描く時、ドキュメンタリー風にする手法もアリなんですけど、昨今「本当のようなフィクション」と「嘘のようなノンフィクション」が混在していて、いかに事実を観客に引き付けて食いつかせるか?というところが難しいのでしょうね。
まるでアクション映画のようにディカプリオなんかは立ち振る舞いしてるし、乱射しながら無差別に住民を銃撃しているRUFの姿が強烈。
女性も子供も容赦なしに撃たれていく様子は、いくら銃社会でもアメリカが舞台ならそんなシーンは入れられない。
ハリウッドの商業映画には、女子供が撃たれてバタバタ倒れていく映画はタブーでしょうから。
まぁ、見方を変えるとアフリカが舞台だからできたんだなということでしょうが・・・。

blood-d2.jpgこの作品が訴えたいのは、こういうアフリカの内戦を長引かせているのは、私には無関係・・・などと言えるか?ということだと思います。
別にダイヤの不買いを勧めている訳ではないんでしょうけど、少なくとも買おうとしているダイヤは紛争地域のものではないことを確認してね・・・ってことでしょう。
ダイヤモンド業界では、「キンバリー・プロセス」と「システム・オブ・ワランティー」の発行で、紛争地域から供給されたものではないという保証をしているそうです。
でもこれは、ダイヤを輸出している国の人々のためではなく、業界や市場価格を守るためなんですよね。

blood-d3.jpg映画は、やはり展開がご都合主義。
ダイヤの密輸をしていた利己主義なダニーは、ソロモンに接しているうちに改心したのか、良い白人になっちゃうし。
ジェニファー・コネリーが演じたジャーナリストも、こういう手の作品に登場するよくあるタイプなキャラ。
どんなに襲撃されても、それを掻い潜っていく様はアクション映画そのもの。
そういう作りにしなくちゃアメリカ人は観ないのか?と。
でも、ソロモンを演じたジェイモン・ブンスーは良かったし、ディカプリオも「ディパーテッド」よりもずっと良かった。
そもそも、監督のズウィックは登場人物を重厚に描くことに長けているし、その手腕はこの作品にも活かされています。

さて、この作品はドンパチが派手で、アクションもののような展開ですけど、控えめに描いてる少年兵という問題も見逃してはいけませんね。
映画には直接描いてはいませんが、少女の場合は強姦されてますし・・・。


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2007年09月21日 映画た〜は行 2000年以降 トラックバック:0 コメント:0

ダブリンバスのオスカー・ワイルド

dow3.jpg1994年アイルランド=イギリス
監督:スリ・クリシュナ−マ
出演:アルバート・フィニ−、ブレンダ・フリッカー、タラ・フィッツジェラルド、ルーファス・シーウェル

(´▽`)つ★★★☆☆

<ストーリー>
1963年のダブリン。
初老のアルフィー・バーンは、ダブリン市内を走るバスの車掌。
アルフィーは文学が趣味で、特にオスカー・ワイルドに傾倒していた。
そんな彼は、バスの乗客で若い娘アデルを見て、バスの常連客らで演じる、戯曲「サロメ」をやろうと決める。
アデルにはサロメ役を抜擢し、周りからはアデルに惚れたと思われたアルフィーだったが、実はアルフィーが密かに想っている相手はバスの運転手ロビーだった。


製作者のジョナサン・キャヴェンディッシュは、オスカー・ワイルドに関する映画を作りたいと思っていたそうで、オスカー像を重ねた男を主人公にして、この作品を作ったそうです。
映画の原題は、オスカー・ワイルドの作品名「ア・ウーマン・オブ・ノー・インポータンス」を文字って、「ア・マン・オブ・ノー・インポータンス」
日本では未公開、未DVD化。

dow4.jpgオスカー・ワイルドはダブリンの出身ということで、舞台は1960年代のダブリン。
ロンドンを彷彿させるニ階建てバスは、アイルランドのカラーである緑なんですねー。
主人公のアルフィーの相棒ロビー役には、「ホリデイ」でアイリスを泣かせた二股男を演じていたルーファス・シーウェル。
このロビーをアルフィーは、”ボジー”と呼んでいたんですけど、これはオスカー・ワイルドの恋人アルフレッド・ダグラス卿の愛称なんですよ。
いかに、アルフィーは自分をオスカー・ワイルドと重ねていたかがわかりますね。

dow2.jpgアルフィーはそのオスカーの戯曲「サロメ」をバスの乗客らで上映しようとするんですけど、アイルランドはカトリック信者が多いところで、不道徳さにはとても厳しい。
ダンスも不道徳とされていて、芸術に道徳も不道徳もない・・・とアルフィーは一蹴するんですけど・・・。
アルフィーの住む階下で肉屋をやってるカーニ−は、信仰に反する不道徳さに納得いかないんですね。
しかも、サロメ役に抜擢したアデルにアルフィーが恋をしたと思い込み、二人をくっつけようとアルフィーの妹と画策までする。

初老とは言え、文学の世界に浸ってるアルフィーは変わり者だけれど純粋で、後にいろんなことを目の当たりにして、ガックリしちゃう。
そして、自分を文学の世界にだけ閉じ込めてきたアルフィーは、今まで押し隠してきた「自分自身」を曝け出す覚悟を決めたんですねー。
それを失笑する人々と受け入れる人々・・・。
この作品のテーマが「寛容と自己発見」ということで、アルフィー自身とその周りの人々の関係によって、とても素朴に描かれていると思います。

dow.jpg今でも、現実とバーチャルの曖昧さがあり、バーチャルな世界に自分自身を置いてる・・・っていう人はいるでしょうからね。
アルフィーは、芸術という世界こそがリアルな世界だったのでしょうが、現実に引き戻されたけれど、そこには人間臭い寛容な友情や愛情が待っていたということです。

さて、この作品には、「ハリー・ポッター」のダンブルドア校長演じるマイケル・ガンボンが肉屋のカーニ−、「ホーム・アローン2」で鳩のオバさんを演じていたブレンダ・フィニ−がアルフィーの妹、「チャーリーとチョコレート工場」で主人公の男の子のお爺さんを演じたデヴィッド・ケリーがアルフィーの友だち・・・と、豪華な顔ぶれでもあります。

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2007年09月19日 映画た〜は行 1990年代 トラックバック:0 コメント:0

ホリデイ

ホリデイ2006年アメリカ
監督:ナンシー・メイヤーズ
出演:キャメロン・ディアス、ケイト・ウィンスレット、ジュ−ド・ロウ、ジャック・ブラック

(´▽`)つ★★★☆☆

<ストーリー>
ロサンジェルスで映画の予告編製作会社を経営するアマンダは、同棲中の恋人の浮気でケンカ別れ。
一方、ロンドンの新聞社に勤めるアイリスは、元恋人の婚約発表を見せられ、動揺する。
そんな2人は、インターネットを介した「ホーム・エクスチェンジ」のサイトで知り合い、クリスマス休暇の2週間、お互いの家を交換して過ごすことになった。


holiday.jpg家を一時的に交換して過ごす「ホーム・エクスチェンジ」をして、2人の女性がそれぞれ新しい出会いと愛を見つける・・・という発想が面白いですねー。
しかもロスとロンドン。
環境はまったく異なるけれど、母国語が同じ・・・ということで羨ましくもあり。
そして、登場する俳優陣がまた贅沢。
それぞれのストーリーで映画を2本作ってもいいくらい。
逆を言えば、1本では詰め込み過ぎって思えてしまう難点も。

holiday2.jpgまずは、キャメロン・ディアス演じるアマンダは、都会からロンドン郊外の田舎へとやってきます。
到着すると、ポツンと控えめに建っている小さな家。
その家は、私からすると「住んでみたぁ〜〜〜い!!」という位のかわいい家なんですけど、大邸宅に住んでるアマンダは戸惑い気味。
一方の、ケイト・ウィンスレット演じるアイリスは、思い切りウキウキ状態。
大邸宅に到着して、広い家にはしゃぎまくり・・・ここら辺の気持ちがわかるわぁ〜。
デッカイ寝室に、プールもあるしで、大はしゃぎ♪
土地柄の違いや文化の違いはさして描かれてはいませんでしたが・・・。

holiday4.jpgこのように、アマンダとアイリスの両方を描くことにより、それぞれの新たな出会いや恋愛に発展する経緯は、あくまでもサラッと描かれていて、物足りなさは否めませんでした。
まぁ、こういう映画はあまり掘り下げてもクドくなるだけですし、気楽に観るには丁度良いって言われればそうかもしれません。
こういう手の作品は、どちらかと言うと女性向けに作られてるでしょうから、男性のウケは宜しくないかもしれないですね。
女はこういう作品が好きなんですよ〜。
出来すぎな展開は女の憧れ・・・ジュ−ド・ロウが初対面でいきなりチュッ(*´∀`*)
そして、彼の可愛い子供たちに即行懐かれる・・・どうです?お伽話でもこんな展開はありませんよ?

holiday3.jpg私はどちらと言えば、アイリスの方のお話が好きですね。
映画音楽を作ってる男(ジャック・ブラック)がビデオ屋で、映画音楽のウンチクを語ってるシーンは好き。
ちなみに彼が絶賛していた映画「ドライビングMissデイジー」の音楽は、この作品の音楽も担当してるハンス・ジマーなんですよね。
ハンス・ジマーと言えば「バック・ドラフト」「パイレーツ・オブ・カリビアン」などの勇ましい音楽も素晴らしいんですけど、しみじみ系もなかなか素晴らしい。

・・・ということで、カメオ出演してる方々も見物ですし、ゆったり気楽に観るには最適かもしれません。
でも、個人的には「恋愛適齢期」の方が好きです。



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2007年09月18日 映画た〜は行 2000年以降 トラックバック:0 コメント:0

リトル★ニッキー

リトル★ニッキー2000年アメリカ
監督:スティーヴン・ブリル
出演:アダム・サンドラー、パトリシア・アークェット、ハーヴェイ・カイテル

(´▽`)つ★★★☆☆

<ストーリー>
地獄の魔王一家の末っ子ニッキー。
彼の2人の兄、エイドリアンとカシアスは次期魔王の座を狙っていたが、父親は引退時期を延ばし譲らなかった。
それに腹を立てた2人の兄は、人間界に自分たちの地獄を作ろうとして地上へ出て行ってしまう。
悪の魂が欠けたことで地獄の入り口が閉じられ、魔王の身体が崩れ始めた。
ニッキーは、兄を連れ戻す使命を受け、地上へ降り立つ。


日本では大変不評だったため、早々と上映を打ち切った作品だそうで・・・。
アメリカのコメディ映画は日本ではウケない・・・という訳で、私もこの映画はスカパーでなければ観ることはなかったでしょう。
「笑い」というのは「泣かせる」よりもお国柄も影響するし、難しいってことなんでしょうけど、この作品は案外楽しめましたよ。

l-n4.jpgまずは、この映画は相当高い制作費だったことに驚き。
これほどまでのおバカ映画を億単位の制作費で作ったアメリカって・・・・。
ニッキー役のアダム・サンドラーは、アメリカではかなり知名度のある人で、あの有名な「サタデーナイト・ライヴ」出身。
彼だからこそ驚くべき人たちがこの映画に出た・・・と言っても過言じゃないらしいです。
シリアスな役もできるアダム・サンドラーですけど、この映画ではかなり可笑しい。
「ゲゲゲの鬼太郎」みたいな髪型で、顔がひん曲がってて、喋り方もヘロヘロ。
魔王家の息子なのに、心優しいんですねー(実は魔王と天使のハーフなのです)
そんな彼が兄を探すためにNYのマンハッタンへとやって来た。

l-n2.jpg地上に降りたニッキーは、いきなり車にはねられて地獄へ逆戻り・・・死んでも死なないので、そうやって地上のことを覚えていくんですねー。
そんなニッキーをサポートするのが、人間の言葉を喋るブルドック。
ちなみに、この作品は日本語の吹き替えで観たんですけど、日本語の吹き替えの方がより面白いかも。
ブルドックが大阪弁だったり、登場人物のキャラクターが漫画チックなので、大げさな吹き替えも違和感なかったです。
そのブルドック君は、日本のお酒のCMに出たことがあるらしいですね。

ブルドックから食べ物の食べ方まで教わるニッキー。
そして、クェンティン・タランティーノが変な宣教師役で出ていますが、本当にそういうのが好きな人ですねー。
イキイキと痛い目に遭ってます(;・∀・)

l-n.jpgお金をかけてるだけあって、CGもクオリティーは高いです。
人間界に行ってしまった兄を連れ戻す・・・って話ながらも、出てくる人たちが誰もがユニークで面白いキャラですし、おバカ映画ながらも真剣にやってるところが笑えるんですねー。
オジ−・オズボーンが登場した時は、仰け反りそうになりましたよ。
日本語吹き替えで、地獄にいる門番で(かな?)頭がオッパイになった人の声が広川太一郎さん。
あのスットボケの口調がツボ(≧▽≦)
ハーヴェイ・カイテルも楽しげに魔王演じてるのも必見でしょうね。


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2007年09月15日 映画ま〜わ行 2000年以降 トラックバック:0 コメント:0

バーディ

バーディ1984年アメリカ
監督:アラン・パーカー
出演:マシュー・モディン、ニコラス・ケイジ、ジョン・ハーキンス

(´▽`)つ★★★☆☆

<ストーリー>
ベトナム戦争で顔に重傷を負って本国へ帰還したアル・コランバトー。
彼は、故郷フィラデルフィア近くにある海軍病院へ向かった。
その病院の精神病棟には、幼なじみのバーディが戦争で精神錯乱を起こし、収容されていた。
アルは、バーディを正気に立ち戻すために、医師から呼ばれたのだっただ・・・。


birdy3.jpgウィリアム・ワートンの同名のベストセラー小説を映画化した作品。
ベトナム戦争によって精神的に傷を負ったバーディに、顔に傷を負ったアルが正気に戻そうと話し掛けながら、昔の回想シーンを挟み込みながら描いています。
外見的にアルは行動的で、バーディは物静かで大人しそうに見えるけれど、実は無茶な方はバーディ。
どちらかと言えば、そんな無茶なバーディの面倒を見ていく感じのアル。
戦争によって精神の錯乱を起したバーディに、またもアルは面倒を見ていくカタチなんですねー。

まず映画を観て思うのは、「ニコラス・ケイジの頭髪がまだ元気だった頃なのねー」と、感慨深く(?)なることでしょう。
そして、この作品のマシュー・モディンがとてもピッタリなキャラで、横顔のシルエットの美しさを魅せてくれますね。

birdy4.jpgそして、鳥になりたがってるバーディ・・・という設定がお伽話風であり、映像的には鳥の美しさを巧みに見せてくれています。
特に黄色いカナリアが綺麗で、そのカナリアを恋人のように愛でるバーディの姿も叙情的。
そんなバーディは感覚がちょっと人と違っていて、アルはそれに振り回される役どころなんですねー。
アルが女性の胸の話をすれば、バーディは「あんなの脂肪のかたまり」なんて言って関心を持たない・・・とかね。

birdy.jpgこの作品は別にベトナム戦争の悲惨さを描いてるんではなく、鳥になりたがってるバーディと彼の面倒をいつも見てるようなアルとの友情物語でしょうね。
バーディは、ある日脳内で鳥になって低空飛行し、鳥の目線で地上を見ることができるようになった。
それが何を意味することなのか・・・ということで、戦場で精神錯乱を起した時に自己保護のために「人間」としてのバーディを封印したのでは?と思えるような行動を病室で取っていたと思いました。

かつて車の件で警察に捕まった時、建物の中で「息苦しい」と訴えていたバーディ。
そして、猫に狙われ口に咥えられながらも元気になったカナリア。
これらが伏線になって、あの衝撃的(?)なラストに結びついているんでは?と思いました。
バーディにまたも振り回され、アルの方も精神的にヤバイ状態になっていく間際のラスト・・・観る側も緊張感が高まった瞬間に・・・!!

上手過ぎる。



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2007年09月14日 映画た〜は行 1980年代 トラックバック:0 コメント:0

時計じかけのオレンジ

時計じかけのオレンジ1971年アメリカ
監督:スタンリー・キューブリック
出演:マルコム・マクダウェル、パトリック・マギー、ウォーレン・クラーク

(´▽`)つ★★★★☆

<ストーリー>
近未来のロンドン。
15才のアレックスは、退屈な日常のウサを晴らすように、仲間らと夜な夜な街で暴れ回っていた。
暴虐で爽快になるアレックスだったが、仲間の裏切りで警察に捕まり、刑務所に入る。
その頃、政府は凶悪な犯罪者の人格を人工的に改造する治療法を試みており、その治療法を受けると刑期が短くなってすぐ出所できると聞いていたアレックスは、喜んで治療法の第一号になるが・・・。


1962年に出版されたアンソニー・バージェスの同名小説を映画化した作品。
イギリスでは映画を真似た犯罪が起こり、キューブリックの要望もあって上映が中止されたそうです。

t-org.jpg観ていて嫌悪感を抱くような暴力や強姦シーンの数々。
これを「オシャレな映画」と呼ぶことには抵抗はありますけど、もしかしたら人間の中にある暴力性というものは、一種の”美”かもしれないと思いました。
憤りも、怒りも、自分に向かうのか他人に向かうのか・・・の違い、そしてどういうカタチで表に出るのかの違いで、実は根は皆同じなんじゃないか。
暴力が邪悪なものと一括りにするなら、人間自体がすべて邪悪な存在なんではないか?
自分だけは違うと言い切れるか?
そんな哲学的なことを考えさせられた作品であります。

t-org3.jpgこの作品を観ると、「サイケ」という言葉が頭をよぎりますねー。
セットの色彩やモニュメントの形もそうですし、アレックスたちが悪さをする時の恰好やメイク、アレックスが使うロシア語チックな造語などなど、三十数年前に於ける近未来の姿が今見ても古ぼけて見えないのが凄い。
公開当時、リアルタイムでこの映画を観た日本人はどう感じたんでしょうかねー?
そういう方々の感想にも興味がありますが・・・。
なんせ「世界の国からこんにちは」と、ようやく文化的にも世界を見渡せる余裕ができたばかりの日本だった時代でしょうからねー。

さて、この映画は暴力の描写ばかりではなく、国民をコントロールする全体主義への風刺が込められているんですね。
”人格改造”という名の洗脳実験ですけど、映画に描かれている手法は「パブロフの犬」よろしく、条件反射を植え付けてるようですが。
しかし、政府による国民への洗脳は、情報コントロールによって現に行われていますからね。
日本もそうでしたし、アメリカはずっとそれを行っています。
あのテロも実は・・・という論調まで出始めましたが・・・。

t-org2.jpg劇中、アレックスが強姦しながら唄う「雨に唄えば」は、キューブリックから撮影中に「何か唄え」と言われ、アレックス演じるマクダウェルが唯一歌詞を知ってる歌がそれだったんだそうですね。
だから、「雨に唄えば」の選曲には深い意味はないようです。
この作品でかなり身体を張ってるマクダウェルですけど、例の治療法の撮影で目を失明しかけたとか・・・。
あのシーンは、本当に観ていてもキツイ。
私の中での彼は今でもあのままの姿ですが、もう還暦を過ぎた白髪のお爺ちゃんなんですよねー。
この作品の時代から時間が過ぎ去ってきたことを痛感してしまいますけど、だからこそキューブリックの感覚がいかに未来的だったかも痛感する作品です。


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2007年09月13日 映画た〜は行 1970年代以前 トラックバック:0 コメント:0

フリーダムランド

フリーダムランド2005年アメリカ
監督:ジョー・ロス
出演:サミュエル・L・ジャクソン、ジュリアン・ムーア、イーディ・ファルコ

(´▽`)つ★★☆☆☆

<ストーリー>
ある夜、病院に手を血まみれにした女性ブレンダが現れ、アームストロング団地で黒人に車を奪われたと訴えた。
事件現場のアームストロング団地の地区を担当する黒人の刑事ロレンゾが病院へ駆けつけ、更に事情聴取をすると、ブレンダは錯乱状態で車の後部座席には4才の息子が乗っていると告げる。
犯人が潜んでいる可能性があるとして、警察は低所得者の黒人が住むアームストロング団地を封鎖し、騒然となってゆく・・・。


※ネタバレ含んだ記事です。

アメリカで起きたスーザン・スミス事件をモデルに書かれたリチャード・ブライスの同名小説の映画化。
著者のブライスは、この作品の脚本も手掛けた。

freedomland2.jpgとてもダークな色彩と雰囲気で始まるこの作品。
なにやら、サスペンス・スリラーを思わせるクレジットも含め、オープニングはブレンダがひとりで彷徨うように歩く後姿を追うカメラ。
けれど、その雰囲気は思わせぶりで継続はしないんですねー。
サスペンスの要素は入っているものの、あまりにも焦点が定まらなさ過ぎで、「だから何なの?」という印象が強く残ってしまいました。

映画「セブン」に出てくるような病院の雰囲気にしたかった・・・と監督が語ってましたが、冒頭はそんなムード。
ところが映画全体に、社会的な問題、家族の問題、個人的に抱える精神的問題と話がコロコロとシフトしていくのです。
つまり、アメリカの抱える人種問題(特に白人と黒人間)、幼児誘拐、麻薬問題、家族の崩壊、人間関係の希薄さ、孤独などなど・・・。

freedomland3.jpg思わせぶりに登場する誘拐された子供を捜索する非営利団体を始め、途中で登場するエピソードや人物が中途半端。
何かの伏線になってるか?とか、何か関わってるのか?と思っていると、いつのまにやら消えてるので、まさに「何だったんだ?」と思わせてしまう原因に・・・。
映画も中盤になると、冒頭の怪しげな雰囲気は吹っ飛び、ブレンダのソワソワした姿とヒステリックな状態をトコトン見せられます。
そして、アームストロング団地の黒人たちが暴徒化しそうな、なんか社会派ドラマっぽいぞぉ〜・・・みたいな感じに。

どうも、子供を乗せた車を奪われたことは嘘なんじゃないか?とロレンゾは疑っていくのですが、ここから家庭に於ける問題にシフト。
なんとかブレンダに本当のことを語らせようと必死なロレンゾの傍らで、いつのまにやらアームストロング団地の状況がないがしろに・・・。

freedomland1.jpg犯人は黒人だったとブレンダが証言し、実は狂言だったことがわかり、団地を封鎖された住人たちが暴徒化しそうになるんですけど、これは人種問題を浮き彫りにする・・・と言うには安直過ぎるお話。
ブレンダは黒人が住むアームストロング団地内の保育所に勤めていて、親しい人も多いはず。
いくら何でも、とっさに「アームストロング団地で車を奪われた」という話をしたにせよ、人種問題に疎いはずがありません。
ブレンダはあくまで自己保身のために作り話をして、そして勤めていた団地の人々を混乱させたわけです。

そして事実の供述というシーンにせよ、コトのすべてをセリフだけで説明していくのも映画としては安易です。
彼女の育った家庭状況、子供を産んだ経緯、その後の母親としての気持ちなどなど、これ全部セリフで語らせています。

結局、ブレンダは被害者意識が強いだけの女性で、自分の過失で死なせてしまった息子なのに事件に仕立て、そこでも被害者面していこうとしたんでしょ?結局。
最後は、なんだか感動の人間ドラマみたく締めくくり、冒頭のあの雰囲気はどこだっ!って感じです。
しかし、4才の子供が咳止めシロップを大量に飲むと死んじゃう・・・なんて、どこで覚えたんでしょうかねぇ?
しかも、4才児でも手が届く場所に薬を置いてたんか?と。
で、息子を埋めた場所には手が切れるほどガラスが散乱してた??・・・ということで、ツッコミどころも満載です。

そして、奪われたとされた車はどこへ行ったんでしょうかね?
結局、それもうやむや・・・。



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2007年09月12日 映画た〜は行 2000年以降 トラックバック:0 コメント:0

エクソシスト

エクソシスト ディレクターズカット版1973年アメリカ
監督:ウィリアム・フリードキン
出演:エレン・バースタイン、マックス・フォン・シドー、ジェーソン・ミラー

(´▽`)つ★★★★☆

<ストーリー>
北イラクの古代遺跡で、古生物学者でありカトリックの神学者でもあるメリン神父は、発掘中に悪霊パズズの偶像を発見した。
一方、ワシントンのジョージタウンで、映画ロケのために一人娘リーガンと共に仮住まいをしていた女優クリス。
屋根裏で響く物音に悩まされていた時、娘のリーガンに異変が起き始めた。
そして、クリスが出演する映画の監督バークが転落死をする。


1949年に少年に悪霊が取り憑いた話に基づいて書かれた小説を映画化し、忠実に描かれているそうです。
オカルト映画の最高峰とも呼ばれている作品。

exo.jpg私は真面目に、この作品は苦手です。
子供の頃に観て、ショックで熱を出してしまい、人生に於いて初めて「眠れない夜」という経験をさせられた作品だからです。
当のアメリカではR−18指定になり、イギリスでは20世紀末までTVなどでの放映も禁止されたらしいですね。
日本では、子供でも観れる環境にあった・・・ということで、そのお陰で・・・_| ̄|○
それからずっと私はこの作品は封印してきたのですけど、デリケートさを失いタフな大人(?)になった今、勇気を出して改めて観てみました。

exo3.jpgこの作品のテーマは「信仰」とか「宗教」って何?・・・ということだろうと思います。
カラス神父は、自分の信仰心のなさに神父を辞めようとしていた。
そこへ母親の死・・・それによって罪悪感が自分を襲い、益々自信を無くしていくんですねー。
一方で、女優クリスの娘の様子がおかしくなっていく。
病院で診てもらって、脳波や脊髄まで調べるけれど異常が無い・・・精神異常じゃないかと催眠療法もやるのだけれど、原因がわからない。
科学的、医学的なことと宗教の境界線は何?ということも投げ掛けています。

その脳波だかを調べる検査で、喉元に針を突き立て、そこから血がピューッと噴出すシーンは、キツイです・・・はぁ。。。。
で、なんだかんだで悪魔祓いに行き着くんですけど、やはりリーガンの凄い顔は今観ても気持ち悪いし怖い・・・。
特殊メイクを見慣れてる今でさえ、ちょっと勘弁して下さい!なお顔です。

exo2.jpgまぁ、首がグルッと回ったり、緑色の液体を吐く辺りは今観るとコミカルにも見えるんですけど、この作品に漂う不気味な雰囲気は凄いものがありますね。
直接的な怖さを煽るのではなく、雰囲気で地味目に怖さを煽るから、この作品は重くのしかかった恐怖心を植え付けるんでしょう。
悪霊パズズが段々忍び寄ってる描写は巧みで細かいです。
でも、今は禁止されてるサブリミナル効果も使っていて、不気味な顔が一瞬映像に入ってるというのも、怖さを追求した所以でしょうかねぇ?

信仰心や自信をなくしていたカラス神父がそれらを取り戻した、ということでラストへと結びついていくのです。
改めてこの作品を観て、「悪魔祓いのシーンって、こんなに短かったっけ?」と驚きました。
あの修羅場なシ−ンが長く感じた子供の頃・・・不思議なものですねー。

あと、平和そうなイラクの街並みと人々の様子を見て、なんとも複雑な気持ちにもなりましたが・・・。
ちなみに、この映画で使われてる有名な「チューブラ・ベルズ」は、平和をイメージした曲だそうですが、あれが怖さを引き立ててるんですよね〜。


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2007年09月08日 映画あ〜さ行 1970年代以前 トラックバック:0 コメント:0

ラブ・アクチュアリー

ラブ・アクチュアリー2003年イギリス
監督:リチャード・カーティス
出演:ヒュー・グラント、リーアム・ニーソン、エマ・トンプソン、アラン・リックマン他

(´▽`)つ★★★☆☆

<ストーリー>
クリスマスを目前にした12月のロンドン。
誰もが愛を求め、愛を成就させようとする季節・・・。


男女19人が織り成すラブ・ストーリー・・・ということで、沢山の恋愛模様が同時進行していくので、粗筋は省略っ。
この作品はイギリス映画のラブコメをイギリス映画界が総力をあげて描いた・・・というに相応しいほどの、豪華出演者です。

l-a.jpgまるでクリスマス・プレゼントの箱を開けたような映画。
思い切り、女性にとっては嬉しいシチュエーションなので、男性の中では「けっ!上手くいき過ぎだろ」なんて、シリアスに捉えてしまう人もいるかもしれませんねー。
なんせ、女性に対して必死な男ばかりが登場しますので・・・。
秘書に一目惚れした英国の首相、友人の妻に恋した男、初恋の女の子がアメリカに帰っちゃうことで悩む少年、言葉の通じないポルトガル人の家政婦に恋しちゃう作家などなど・・・。
そこまで惚れられる女・・・っていうのは、女性の憧れでもありますので、製作サイドはお上手です。

l-a2.jpgしかし、この作品は男女間ばかりではなく、義理の親子や長年苦楽を共にしてきた男同士の仲、夫婦や兄弟の愛も描いています。
つまりは、どんな関係にも「愛」は存在してるという視点が素晴らしい。
そこへ、ドサクサ紛れっぽく英国男性の願望みたいなエピソードも加えてある辺りは、イギリスらしいかもしれませんが・・・。
「イギリス訛りの英語がキュート♪」と言われ、アメリカ娘にモテモテ〜♪なんて話はイラネ・・・って言う人が多いんですけどもね。

l-a3.jpgとにかく、ハッピー♪ハッピー♪で、クリスマスが背景にあると、出来すぎな話でも許せちゃう不思議。
作品の中には色んな恋愛物語がギュ−ギュ−に詰まっていますけど、ラストに出てくる沢山のハグの映像が私は一番好きですねー。
ハグハグ、ハグハグ・・・(*´∀`*)
日本人だと、あんな風に自然とハグができないってのもありますけど、良いですよね。
こういう映画は、眉間にシワ寄せて観るもんじゃなく、ゆったりした気持ちで観てほんわかな気持ちになれば良いんですよ〜。

l-a4.jpgあと、笑えるシーンではないけども、個人的にウケたシーンがありまして・・・。
葬儀に流れた曲が、ベイ・シティ・ローラーズの「バイバイ・ベイビー」にニンマリしちゃいました( ̄ー ̄)
亡くなった奥さんB.C.Rのファンだったのね〜・・・と。
後ろに映し出されているフォトの中に、ローラーズ・ファンだった頃の姿も入ってて、抜け目なし。
まぁ、このネタはわかる人はわかるってことで、年齢層もバレバレになっちゃいますけど、なかなか監督は細かくていらっしゃると感服。


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2007年09月07日 映画ま〜わ行 2000年以降 トラックバック:0 コメント:0

肉の蝋人形

肉の蝋人形 コレクターズ・エディション1953年アメリカ
監督:アンドレ・ド・トス
出演:ヴィンセント・ブライス、フィリス・カーク、チャールズ・ブチンスキー

(´▽`)つ★★★☆☆

<ストーリー>
1900年、ニューヨーク。
彫刻家ジャロッドは偉人の蝋人形館をバークと経営していた。
しかし、巷で流行の化け物屋敷に転換を図ろうとするバーグは、ジャロッドと口論した挙げ句、保険金目当てで館に火を放った。
その火を消し止めようとしたジャロッドは、館共々焼けて死んだと思われていたが、ジャロッドはバークを殺害して復讐を果たし、彼の愛人をも殺害。
その遺体を蝋人形にして、新しく立ち上げた蝋人形館に飾る。


1933年に製作された同名の作品がオリジナルで、この作品はリメイク。
なんでもこの作品は3Dだったそうで、それを活かす演出もされてますが、如何せん現在は3Dで観れないことが残念ですねー。
この作品がDVD化されてることには驚き。

rouningyou.jpg「蝋人形の館」も一応リメイクらしいんですけど、ストーリーは全く違います。
こちらのリメイクは、オリジナルとほぼ同じようです。
ちなみに、「蝋人形の館」に登場する青年の”ヴィンセント”という名前は、ジャロッドを演じた”ヴィンセント・ブライス”から取ったようですけどね。

さて、この作品は地味なんですけど不気味な雰囲気のルーツが満載なんでは?と思います。
特に、深夜に街の中を黒い井手達で歩くジャロッドの姿は、古さを感じさせないダークさがあるなぁ〜・・・と思ったら「ダーク・マン」の原形らしいんですね。
あとは、火を放たれた時に溶け出す蝋人形が気持ち悪い。
グロテスクではないんですけど、首がゴテッと落ちたり、目玉が剥き出しになって落ちたり、そういう怖さって私は好きですねー。

rouningyou2.jpg別の怖さでは、女性のコルセット!
凄くウエストが細くて、それでも尚コルセットでギュ〜〜〜ッと締め付ける。
なんなんでしょうか?あのウエストの細さは・・・・。
ある意味、拷問ではないかと・・・思わずお腹を無理にヘコませてみる自分がいたりして(;・∀・)

この作品には、ジャロッドの助手役に”チャールズ・ブチンスキー”が演じていて、ちょっとマッチョ系なんで気がつきににくいんですけど、彼は「チャールズ・ブロンソン」なんですねー。

まぁ、この作品は「ホラー」というよりは「サスペンス」の色が濃いかな?って感じですけど、少々エグいシーンもあります。
こういう映画を観ると、アメリカ映画がいかに進んでいたかがわかりますね。
なんせ、オリジナルですらテクニカル・カラーですからねー。
昭和8年で色つき恐怖映画・・・そちらの方も観てみたい。

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2007年09月05日 映画た〜は行 1970年代以前 トラックバック:0 コメント:0

幸せのちから

幸せのちから コレクターズ・エディション2006年アメリカ
監督:ガブリエル・ムッチーノ
出演:ウィル・スミス、ジェイデン・クリストファー・サイア・スミス、ダンディ・ニュートン

(´▽`)つ★★★☆☆

<ストーリー>
1981年、サンフランシスコ。
クリス・ガードナーは骨密度を測定する医療機器のセールスをしていた。
しかし、価格が高い機器はなかなか売れず、家賃などの支払いが滞っていた。
やがて妻には愛想を尽かされ、家賃の滞納でアパートの立ち退きを命じられたクリスは、5才の息子と安モーテルで暮らし始める。
そんな中、大手の証券会社研修生に合格し、半年後たった1人だけが採用される研修に望みを託すが、所持金が底を尽き、ホームレス生活を余儀なくされる。


実在の人物が体験したサクセス・ストーリーを映画化した作品。
ウィル・スミスは、自分の息子と共に親子を演じたことでも話題になりました。

shiawase.jpg原題は「THE PURSUIT OF HAPPYNESS」で「Happyness」は、劇中で息子を預けている託児所の壁に書かれている文字で、クリスが何度も「Yではなくて  だ」と言ってた「Happiness」の間違った綴りをあえてタイトルにしていますね。
日本語でこじづけたら、「幸せってのは I (愛)がなくちゃ」ってところでしょうか?
そして、邦題では「幸せのちから」ですけど、本来の意味はアメリカ独立宣言の文言にもある「幸せの追求」ということです。
「幸せのちから」にすると、既存している幸せ・・・って意味合いになりますので、邦題の場合は「幸せ」とは息子の存在とも取れるニュアンスで、意味深くはなりますけども。

shiawase2.jpgこの作品は、ラストよりも途中のエピソードが重要だと思います。
そして、クリス氏の場合はよく言われる「アメリカン・ドリーム」ではないと私は思いました。
彼は一晩で富豪になったんでも、棚からボタモチで「幸運」がたまたま転がり込んだわけでもありません。
息子に繰り返し「パパを信じて」と語っていましたが、自分自身に言い聞かせていたんでしょうねー。
自分の身だけならともかく、子供を連れてどん底を味わうのは、親として本当に辛かったろうと思います。
ひと気のない深夜の地下鉄で、タイムマシーンごっこやトイレで寝るシーン・・・この作品の中で唯一泣けたシーンです。

shiawase3.jpgまぁ、妻に何時間も働かせながら家賃も満足に払えずに生活が破綻しちゃう辺りは、情けない男・・・と言えばそうでもあります。
ホームレスから伸し上って成功した黒人・・・ということで、飛びつきやすいネタではありますけどね。
でも、1981年辺りは黒人への偏見は実際きつかったろうと思いますし、映画で描かれていたよりも大変だったかもしれません。
そんな中でも、道を外すことなく貫き通したことが素晴らしいですね。

この作品でのウィル・スミスは走ってることと、骨密度測定器に振り回されてる印象しかなかったですけど、息子のクリストファーくんが可愛い。
そして何と言っても、実の親子だからこそ醸し出される2人の雰囲気がとっても良かったです。


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2007年09月04日 映画あ〜さ行 2000年以降 トラックバック:0 コメント:0

アダム -神の使い悪魔の子-

アダム -神の使い 悪魔の子-2004年アメリカ=カナダ
監督:ニック・ハム
出演:ロバート・デ・ニーロ、グレッグ・キニア、レベッカ・ローミン=ステイモス

(´▽`)つ★★☆☆☆

<ストーリー>
8才になったばかりの息子アダムを事故で亡くしたダンカン夫婦。
悲しみに打ちひしがれている2人の前に、遺伝子学者のウェルズが現れ、ヒトクローン創造の可能性を持ち出し、アダムの再生を打診してきた。
生命の倫理に反する行為になるからと、申し出を受け入れることに及び腰になる2人だったが、息子に会いたい気持ちが勝り、ウェルズの提案に応じることにした。


※ネタバレ含んだ記事です。

クローン技術を人に使用したら・・・?
そのクローンの闇の部分はサイコチックに描き、宗教的にも倫理的にも問題を投げかけてる・・・と、思わせぶりたっぷりな作品。

adam3.jpgデ・ニーロが出ているから、さぞかし深くクローンについてエグリ出しているんだろうなっ!と期待して観たら・・・。
映画の序盤、突然ダンカン夫婦の前に現れるウェルズ。
いきなり「アダムをヒトクローンで甦らせたら如何?」てな具合に、怪しげな話を持ちかける。
最愛の息子を突然失ったダンカン夫妻は、ちょっと悩むんだけど細胞が死滅する前に返事をしなくちゃなので、急かされるようにOKの返事。
ここまでは、まぁ粗筋通りに話がポンポンと進む。

adam2.jpgそして、めでたく妊娠してアダムのコピーが誕生します。
喜ぶダンカン夫婦・・・と思ってると、あっという間にアダムのコピーくんは8才に・・・。
あれから8年以上も歳月が流れてるとは思えない、ダンカン夫婦の老けなさ加減やウェルズもまったく歳取ってなさ加減で、月日の経過なんぞどうでもいいわい!・・・っぷりな感じ。
そして、8才になったアダムに色々異常なことが・・・。

その異常なことはクローンだから、身体に変化が起きるとか、運動能力に変化が起きるとかではなく、メンタルな部分で異常が起きてくる。
アダムは、幻覚を見ては怯え始め、やがて「ザカリ−」という名前を口にしたりするのです。
まるで多重人格者のような状態に・・・・。

adam.jpg性格も陰険になってくるし、ダンカン夫婦はウェルズに相談したり診察してもらったりする。
アダムの身の上に何が起こったかのか?・・・ということですけど、クローン技術をウェルズが悪用して、実験していたようなもの。
けれど、DNAにその人間の記憶が残っているとか、科学的には根拠のない展開なのでシラケました。
他人のDNAを混ぜて使い、その他人の記憶どころか人格までも甦る・・・という話だと、人間の性格は育つ環境の影響はまったく関係ないことになっちゃいますねー。
しかも、オリジナルのアダムが亡くなった年を境に・・・ってのがワザとらしくて。

デ・ニーロ演じるウェルズの人物像も中途半端ですし、オリジナルのアダムが生きていたら17才の親であるはずのダンカン夫妻はいつまでも8才の子供の親みたいに若いし、全てが適当っていう印象しか受けませんでした。
ラストも、単なるホラーもどき。
ただ、アダムを演じたキャメロン・ブライトくんは「記憶の棘」を観た時も思いましたが、将来が楽しみですね。

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2007年09月03日 テーマ別 巷の話題から トラックバック:0 コメント:0

さまよう魂たち

さまよう魂たち  (ユニバーサル・セレクション第5弾) 【初回生産限定】1996年ニュージーランド=アメリカ
監督:ピーター・ジャクソン
出演:マイケル・J・フォックス、トリニ・アルヴァラード、ピーター・ドブソン

(´▽`)つ★★★★☆

<ストーリー>
車の事故で妻を失って以来、フランクは霊能力を持つようになった。
そんな彼は3人のゴーストと手を組んで、悪霊祓いの詐欺商売を始めていた。
一方、女医のルーシーは、厳格な母親と暮らすパトリシアを往診。
パトリシアは、かつて患者や医師など12人を殺害した看護士パートレットの恋人だった。
ある日、ルーシーの自宅でフランクが仕掛けていないポルターガイストが発生し、ルーシーの夫が急死する。


監督は「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソン。
製作総指揮はロバート・ゼメキス。
そして、主演がゼメキスとは「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で組んだマイケル・J・フォックス。

tamashiitati2.jpg実はこの作品、まったく期待しないで見始めたんですよね。
ところがテンポがとても良く、出てくるゴーストもユニークだし、笑いどころもちゃんと押えてありながら不気味な雰囲気もたっぷりで、謎が深まっていく辺りまで中だるみなし。
一気に見入ってしまいました。
この時期、マイケルは闘病中ですから顔色が悪いんですけど、役柄の設定によって気にならないようにしてありますね。
それでもかなり動き回っているので、「大丈夫だったんだろうか?」と、心配はしましたが・・・。

tamashiitati3.jpg出てくるゴーストは、なかなかユニークなキャラが多かったです。
特にほとんど骨になってる「判事」と呼ばれているゴースト。
それと、墓地に出没する鬼軍曹は瞬時に色んな武器を変えて、ガンガン撃ちまくるゴースト。
その鬼軍曹は「フルメタル・ジャケット」のハートマン軍曹を演じたリー・アーメイなので、「おおぉ!!」と唸りました。
そんなゴーストたちとフランクの掛け合いは面白い。

tamashiitati5.jpgお話は、ルーシーの自宅でポルターガイスト現象が起き、その後に夫が心臓発作で急死してから不可解なことが次々と町で起きる。
フランクだけが見える、額に数字が浮かび上がった人が突然死する・・・ということが続いていくのです。
ゴーストが見えるフランクは、それが悪霊の仕業だと知るんですけど、誰もフランクの言うことなど信用しない。
そこへ、変にビビリ屋なFBI捜査官まで登場し、仕舞にはフランクが町の人々の死に関係していると疑われてしまう。

tamashiitati.jpgその悪霊は黒いマントに斧を持ってる、まさに「悪霊!!」という姿なのも微笑ましかったりします。
でも壁紙やカーペットなんかの下で何かがス〜〜ッと動いてるような描写は怖い。
そして、これが単なるお化け退治ではないっていうのがミソで、最後まで目を離せない展開が待っております。
結構、ドキドキハラハラしますよー。

観れば面白い作品なのに、知名度が低すぎなのが残念ですねー。
マイケル・J・フォックスが病で一線を離れてしまったゆえに、過去の人・・・という印象があるせいでしょうかねぇ?
ちょっとB級の匂いもする作品ですけど、いかにも出てきそうな屋敷などのセットは立派。



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2007年09月01日 映画あ〜さ行 1990年代 トラックバック:0 コメント:0

トランスアメリカ

トランスアメリカ2006年アメリカ
監督:ダンカン・タッカー
出演:フェリシティ・ハフマン、ケヴィン・ゼガ−ズ、フィオヌラ・フラナガン

(´▽`)つ★★★☆☆

<ストーリー>
トランスセクシャルのブリ−は、男性の身体を完全に変える手術を控えていた。
そんなある日、若い頃1度だけ関係を持った女性との間にできた息子が、窃盗の罪で拘置所に入ったとの連絡を受ける。
過去に向き合うようにとカウンセラーに言われ、しぶしぶ息子トビーを保釈するためにニューヨークへ行き、自分の正体を伏せたまま、トビーの継父が暮らすケンタッキーへ送り届けようとするが・・・。


映画の要素でもあるアメリカ横断(TransAmerica)と同一性障害(Transsexual)をもじったタイトルがなかなか上手いです。

t-a3.jpgブリ−自身、そしてトビーとの親子関係も不完全・・・という感じでストーリーは展開します。
すっかり自分の息子のことなんぞ忘れ、自分が女性として完璧に生きていくことだけを考えてきたであろうブリ−。
長い間待ち望んできた、女性の身体になれる直前に息子と関わらねばならない事態に・・・。
ブリ−が男性だった証の息子トビー。
そのトビ−との旅を通じてどうなるのか?というお話ですが、女性になろうとしていてもブリ−は所詮父親だな・・・という雰囲気。

t-a2.jpg自分の正体は明かせないということと、長い間息子と会っていなかったというブリ−の複雑な気持ちは滲み出ていたと思います。
そして、やはりどこか父と息子・・・という複雑なニュアンス。
そんな不完全さを漂わせた作品で、ギクシャクした旅という発想はユニークです。
ただ、息子のトビ−は単にやんちゃな青年という感じだったのが残念。
継父に性的に虐げられ、母親が亡くなった直後に家出して男娼をしながら生きてきた・・・という背景があるんですけど、斜に構えてるだけで余り陰のない雰囲気。
トビーのキャラクターが作品の中でちょっと浮いてるかなぁ〜と・・・。

t-a.jpg根っからの悪ガキじゃないっていうのは、食事前にキチンとお祈りをしたり、動物が好きでペットショップをやりたい・・・という辺りで描かれてるんですけどね。
トビーを演じるケヴィン・ゼガ−ズはどこかディカプリオにも似た感じの子なんですけど、雰囲気というか演技力がイマイチ。

あとは欲を言えば、道中トラブルに見舞われてあちこち知り合いを訪ねたりして、いろんな人が登場してくるんですけど、ブリ−とトビーの2人の旅をじっくり描いてくれたら良かったなぁ〜と思いました。
エピソードを詰め込み過ぎると、焦点がボヤけてしまう。

t-a4.jpgそうは言っても、この作品はブリ−を演じたフェリシティ・ハフマンが良かったですねー。
男性から女性になろうとしているという難しい役どころ。
ナヨナヨせずに女性を意識した振る舞い・・・しかも女がそれを演じるんですから、自然過ぎてもいけないですし。
やたらメイク直ししてるところは男性の名残りですね。
どうしても先入観でオッサンにも見えるから、それはそれで凄いかも・・・。

もう少し全体にジワジワな感じで描かれていると思っていたんですが、案外目まぐるしく描かれていました。
テンポが良いということなんですけどね。


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2007年09月01日 映画た〜は行 2000年以降 トラックバック:0 コメント:0