メメント
2000年アメリカ監督:クリストファー・ノーラン
出演:ガイ・ピアース、キャリー・アン・モス、ジョー・バントリアーノ
(´▽`)つ★★★★★
<ストーリー>
保険の調査員レナードの家に何者かが侵入し、妻が強姦され殺害されてしまう。
その時に妻を助けようとして、レナードは頭を強打され、妻の死のショックも重なり、前向性健忘症という記憶障害を負う。
10分間くらいしか記憶を保てないレナードは、ポラロイドカメラやメモ、身体には重要な事柄をタトゥにして刻み、犯人のキーワード「ジョン・G」を追っていく。
封切当初は上映する映画館が少なかったが、次第に話題を呼んで全国各地で上映する映画館が増えた・・・という、業界が「話題」にする映画がいかにアテにならないかを示した作品であると言える。
この映画は、冒頭にポラロイドで写した写真が映し出される。それを見ていると、徐々に写真の画像が薄くなっていく。
この段階で私は一種のオープニングの演出だと思った。
しかし、それは映画の構成を示唆するシーンだったんですよね。
「この映画は時間が逆行していきますよ」と。
なので、普通なら「結末」になるシーンを最初に見せられる・・・ということなんです。
「じゃあ、結末知ってたら面白くないじゃない」という心配は無用。
登場人物の相関図がわからないことは、言わば謎だらけであり、どうしてこういう結末に到ったのか?というプロットがわからない以上、オチがどうであれ映画の全てを語れないのです。
物語というのは、「起承転結」で進むのが基本で、登場人物と主人公とどういう関係か?というエピソードが入っていく流れが通常。
そういう構成に慣れているからこそ、観る者は戸惑ってしまう・・・まるで連続ドラマを途中から観ている気分。
けれど、オチを知りながらも逆に謎だらけに感じるのだから、不思議なものです。
この映画は、「過去」のことが私たちにもわからない。「こいつは誰?」
「なんでここに来たの?」
そんな風に淡々と今起こっていることだけを見せられ、原因や根拠がわからない。
つまりは、レナードの記憶障害を疑似体験させられている。
ポラロイドの写真のメモなんかも、いつ書いて、どんな根拠で書いたのかわからない。
そこに書いてあることを信じていくしかない。
そして、時間が遡っていくのだけれど、構成的に前に見たシーンを頭の中で繋いでいかないと、ちょっと混乱するかもしれない。
だから映画を観る方も記憶力をある程度使わないと、話の流れが読めなくなる恐れはある。
そういう映画の見せ方は難解だけれども、謎解きが好きな人にはたまらない映画であることは間違いない。
特別なトリックもないのに、時間を遡ることで謎が生まれ、と同時に少し前の謎が解明される快感でたいくつしない。
しかしですねぇ〜、恐れ入りましたよ。結末で始まりながらも、時間を遡っていくに従って明らかになっていくことに驚いてしまうんですから・・・。
映画の最後になっている「事の始まり」が思い切りオチになっている感じ。
編集も素晴らしい。
そして、記憶と記録の関連性だとか、人間の「認知」と「覚える」との差もリアルに描き出していると思う。
思い込みなのに、確かな記憶だと言い張る人・・・いますよね?
こうやって、映画のレビューを書くのも記憶に頼ってたりしてますんで、どこかで記憶違いが起きている可能性もあるんですけどね(;・∀・)

















