サムサッカー 17才、フツーに心配な僕のミライ
2006年アメリカ監督:マイク・ミルズ
出演:ルー・プッチ、ヴァンス・ヴォーン、ティルダ・スウィントン、キアヌー・リーヴス
(´▽`)つ★★★★☆
<ストーリー>
オレゴン州郊外に住む17才のジャスティンは、親指を吸うクセが治らず悩んでいた。
通院先の歯医者ペリーに催眠術をかけてもらったジャスティンは、親指が苦く感じるようになり、指しゃぶりは止められたものの、落ち着きがなくなり情緒不安定になっていく。
学校から呼ばれた両親は、ジャスティンは精神的な病気ではないかと指摘され、病院へ行き薬を処方される。
その薬でジャスティンは見違えるほど活動的になり、討論会でも活躍するほど変身していく。
いつもオドオドしていて不安げなジャスティンを演じたルー・プッチは、ベルリン国際映画祭銀熊賞(最優秀男優賞)とサンダンス映画祭の特別審査員演技賞を受賞した。
この映画は当初、ジャスティン役にイライジャ・ウッドが候補に挙がっていたらしいけれど、このルーで大正解だと誰もが思うほど繊細な思春期の青年を演じていたと思う。
「サムサッカー」というカタカナ表記の日本。タイトルだけ聞くと「少林サッカー」と同じ(?)で、サムというスタイルのサッカー話なのかと勘違しそうになった・・・マジで。
「指しゃぶり」を「サム・サッキング」と言うので、そういうタイトルなんですねー。
そして、サブタイトルの「17才、フツーに心配な僕のミライ」という、昨今の日本の若者言葉を使ってるということは、等身大な若者像を強調してみたの・・・って感じですかね?
冒頭、まるで胎児のように身体を丸くして指をしゃぶるジャスティンが、ちょいと母性本能をくすぐるのだわ(*´∀`*)
傍から見れば「かわいい〜♪」と思っても、本人も家族も気になってるクセなのです。
そりゃ、高校生にもなって指しゃぶりしていれば、親は止めさせたいと思いますよね。
止めたい・・・でも止められない・・・というジレンマと止められない自分に自信が持てないジャスティン。
しかし、この映画は、ジャスティンを通して家族や周りの人たちも何かしら抱えていることが浮き彫りになり、上辺では何もないように取り繕っていても実は心の中で様々な葛藤があることが明かされていく。父親は怪我でフットボールの道を閉ざされた経験があり、母親も自分のキャリアに限界を作って、モヤモヤした気持ちを気晴らしする毎日。
ジャスティンの弟はしっかり者だけれど、それはジャスティンのことばかり心配している両親に負担をかけまいとしていたからだ。
努力しろ、忍耐力をつけろと精神論でジャスティンに言い聞かせる父親に対し、具体的なことを言ってくれないと反発するジャスティン。
あ〜、こういう親子関係って思春期では大方の人が直面しますね。
特に日本の親は精神論で語りたがるし・・・。
一方で「自分たちより優秀な子になったわ」と父親と母親が2人で話ている姿は、親としての幸せを垣間見せ、グッとくるシーンでした。
この映画の中では脇役に回ってる歯医者役のキアヌー・リーヴスは、ジャスティンにアドバイスする役割で登場は少ないけれど重要な人物と言っていいでしょう。ありのままの自分を受け入れることの大切さを説くペリーも、以前のように取り繕って虚像の自分でいることは止めた!とジャスティンに話す。
最初はインテリっぽい歯医者だったのに、ラスト近くでは治療室でタバコをスパスパ・・・。
吹っ切れ過ぎだろ・・・という気が・・・。
ここで、なぜ歯医者?かと言いますと、指しゃぶりをしていると歯並びが悪くなるんですね。
ジャスティンは虫歯治療ではなく、歯列矯正のために通っていたのです、ハイ。
ラストは、映画の冒頭で丸くなって指しゃぶりしていたジャスティンはもうない。
晴れやかなジャスティンが「ありのままの自分を受け入れる」ということが「自信」に繋がるんだということを表わしている感じでしたね。
人生に答なんかない・・・自分そのものが答えだから。

















