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ザ・バニシング - 消失 -

ザ・バニシング-消失-1988年オランダ=フランス
監督:ジョルジュ・シュルイツァー
出演:ベルナール=ピエール・ドナドュー、ジューネ・ベルフォーツ、ヨハンナ・テーア・スティーゲ

(´▽`)つ★★★★☆

<ストーリ>
フランスへ旅行にきたレックスと恋人のスサキア。
途中で立ち寄ったガソリン・スタンドの店で、飲み物を買いに行ったスサキアが突然姿を消した。
何の手がかりもないまま、3年が経った。
レックスはTVに出るなどして、スサキアを探し続けていた。
ある日、レックスの元にスサキアの手がかりを知る者から連絡がきたのだった。


※ネタバレありの記事です。

この映画のリメイク「失踪」はキーファー・サザーランドを起用し同じ監督により作られたが、作品としてはこちらのオリジナルが断然上。

残念ながら・・・というか、私はリメイクの「失踪」を先に観てしまったので、このオリジナルを観る時にはすでに結末を知ってしまっていた。
リメイクの方はハリウッド的娯楽を取り入れざるを得なかったためか、ラストは変えてあるのだけれど、たぶんラストはオリジナルとリメイクで好みは別れると思う。
私はですね、ラストに手を加えすぎたへタレなハリウッドのリメイク版はわざとらしくて嫌ですねー。

こちらのオリジナルは、全体に静かで地味なのだけれど、静かさの中の恐さはヨーロッパ特有の雰囲気が手伝って、充分に伝わってくる。
変に音楽で演出していない分、レックスの喪失感が滲み出てくるのだ。
犯人は異様な雰囲気を感じることもない、極普通の家庭を持った良き父親。
なにやら、やけに細かしい几帳面な性格で物事を哲学的にしちゃうタイプ。
女性を誘拐するという行為の先にある、とても残酷な行為を行う根拠が「娘が自分をヒーロー」として崇めているため。
要するに、「正義の自分」を存在させるためには「悪の自分」も存在しないといけない・・・っつーこと。
光が存在するためには、暗闇の存在がなくてはならないっていう理論ですね。

そして、この犯人はレックスが3年経ってもスサキアを探し続けていることを知りその心理を巧みに突いて、更に理論を確固たるものにしようと企むわけです。
レックスの前に姿を現し、スサキアがどうなったか教えると持ちかける。
この映画は、犯人の性格と自前の哲学が融合した理論が根底にあり、緻密な計画も偶然には及ばない・・・という、良きにすれ悪しきにすれ、世の中はそういうものだって結論。
恐らく犯人にとっては、レックスがスサキアを探し続けていたことさえも偶然の産物だったのでしょう。

リメイク版とは違い、そういう不条理とも思えることは世の常であるという恐ろしさを決定的にしたのがラストだと思うんですよ。
「悪は滅びる」ということを信じて正義ぶってるアメリカとの違いが、リメイクを観るとよくわかる。
犯人はレックスを生き埋めにした後、何事もなかったかのように家族と楽しそうに過ごしている。

そして、レックスとスサキアが埋められてるであろう地面を縫うように映し出す映像。
レックスまでも行方不明になったことを報じる新聞。
いやぁ〜・・・恐いっ!残酷っ!
こっちのオリジナルを先に観てたら、きっと数日は落ち込んだと思う。
でも、サイコ・サスペンスとしては素晴らしい作品だと思います。


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2007年04月08日 映画あ〜さ行 1980年代 トラックバック:0 コメント:0












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