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セブン・イヤーズ・イン・チベット

セブン・イヤーズ・イン・チベット〈ニューマスター版〉1996年アメリカ
監督:ジャン・ジャック・アノー
出演:ブラッド・ピット、デイヴィッド・シューリス、B・D・ウォン

(´▽`)つ★★★☆☆

<ストーリー>
1939年、ナチス統制下のオーストリア。
登山家ハラーは身重の妻を顧みず、アウフシュナイダーと共にヒマラヤ山脈の最高峰ナンガ・バルバットを目指して旅立った。
その頃、第二次世界大戦が激化し、ドイツの宣戦布告によってハラーたちはイギリスの植民地インドでイギリス軍に捕らえられ、捕虜収容所に送られてしまう。
収容所に入れられてから2年後の1942年9月、ハラーたちは監視の目を欺き、脱走する。
ハラーはアウフシュナイダーと共に2年間追跡を逃れ、1945年に2人はチベットのラサに辿り着く。


ハインリヒ・ハラーの回想録を元に作られた作品。
原作とは違って、映画では既婚者でオーストリア人と設定されている。
ジョン・ウィリアムズの曲とチェリストのヨーヨー・マの奏でるチェロの音が、チベットの人々の深い哀しみを代弁してるように響き渡ります。

syit.jpgこの映画が封切りになる直前、私は先に原作本を読みました。
その頃の私はチベットの近代史を知らず、本を読んだ時に大きなショックと怒りを覚え、そしてハラーが過ごしたチベットでの日々を映画で描ききれるものか?と、あえて映画を観ないことにしていました。
それから10年近く経ち、ようやく映画を観た・・・という経緯です。

恐らく、原作本を読まず10年前に映画を観たら、私もネットで多く見かける感想と同じで、「ブラピかっこいい♪」って書いたことでしょう。
けれど、この作品は第二次世界大戦や終戦、そして中国によるチベット侵略という大事に遭遇した男の物語であり、自己中心な自分を変えてくれたチベットが刻々と破壊と滅亡の危機を憂いるハラーの心の叫びをブラッド・ピットを起用したことで見えにくくしてしまった感がある。

syit4.jpg映画のロケは、勿論チベットでは行えるはずがないので、反対側にあるアルゼンチンで行ったそうです。
そこに、ラサを見事に再現したのでは?と思います。
この映画の中で広がる広大な風景は、無言のメッセージを私たちに訴えかけているようでもあり、畏敬の念を抱かざるを得ません。
そして、この映画でダライ・ラマの少年期を演じた子が本当に素晴らしい!
往々にして、西洋人による映画での東洋人のチョイスはイメージ先行している部分が多々あるのですが、この配役は見事だと思う。

syit2.jpgしかし、やはりハラーの13年間はあまりにも濃いので、まんべんなく描こうとしたためか、かえって上面で軽い感じになってしまったのが残念。
そして、やはりハリウッド式とでも言うか、原作にはなかったラストを創作して入れ込んで結んでいくのも強引。
もう少し、何か的を絞り込んだ方が良かったのでは?と思う。
チベットに関してもプロバカンダな映画にならぬよう配慮したせいか、チベットの7年間さえ軽い仕上がりに思えた。

さて、この映画を観るまでの間にネットが普及し、チベットのことをいろいろ知るようになりました。
中国によるチベットでの虐殺行為が今尚行われ、チベット民族の血脈根絶のために女性は惨い仕打ちに遭い、少しでも中国を批判しようものなら即投獄されたり処刑されたりと、人権侵害もはなはだしい実態を知り、その上でこの映画を観たので、胸が本当に痛くなりました。

syit5.jpgハリウッドでは、リチャード・ギアを始め、多くのアクターがチベットに於ける中国の人権侵害を訴えてます。
ダライ・ラマと親睦のあるリチャード・ギアは、中国当局より入国拒否をされているそうです。
日本では、なぜか意図的にチベットのことを報道しません。
けれども、こういう映画をきっかけに知ることも重要だろうと思います。

原作者のハインリヒ・ハラー氏は、この映画の製作から10年後の2006年に亡くなったそうです。
syit3.jpg
チベットのことを色々と知ることができるサイトです。
     ↓
http://www.tibethouse.jp/home.html

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2007年04月11日 映画あ〜さ行 1990年代 トラックバック:0 コメント:0












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