オリヴァ・ツイスト
1948年イギリス監督:デイビッド・リーン
出演:ロバート・ニュートン、アレック・ギネス、ケイ・ウォルシュ、ジョン・ハワード・デイヴィス
(´▽`)つ★★★★☆
<ストーリー>
19世紀の初頭、ある冬の嵐の夜、一人の女性が授産場にたどり着いて男の子を産み、間もなく息を引き取った。
生まれた男の子はそのまま救貧院へ連れて行かれ、オリヴァ・ツイストと名付けられた。
9才に成長したオリヴァは、ある日くじ引きで負けてスープのおかわりをする役をさせられ、罰として葬儀屋へ奉公に出される。
しかし他の奉公人からイジメられ、耐え切れずに皆が寝静まっている早朝逃げ出す。
七日間歩き続けたオリヴァはロンドンにたどり着き、そこでドーキンスという少年に出会い、フェイギンという男の元へ連れて行かれる。
チャールズ・ディケンズの原作を映画化。
後にも何度か映画化されている。
最近リメイクした「オリバー・ツイスト」は未見なので比較はできないんですけれど、モノクロで描かれているこの作品を観て、昔の本の挿絵のような雰囲気が堪能できました。現代に於いてのモノクロは、言わば違う世界に誘ってくれるムードがあり、どこか想像できる余地を残してくれる。
ストーリーは昔話らしい展開だし、その話の内容を真面目に「だから、何?」と突っ込むのは邪道であります。
色が白くて痩せこけたオリヴァの眼差しは真っ直ぐなのが印象的。
対して、ずるい大人たちは太っていたり、いかにも利己的であるような顔ばかり。
子供たちは薄まったスープと僅かなパンだけなのに、大人たちがテーブルに所狭しと並ぶご馳走に貪りつくシーンは、私が子供の頃に読んだ話に出てくる嫌な大人のイメージぴったりで唸ってしまった。
「こいつら最悪だ」という嫌悪感を醸し出すシーンとしては絶品。
ロンドンに着いたオリヴァが人並みにもまれながら、ドーキンスという少年に出会う。このドーキンス役の少年もなかなか良くって、ひとりで生きていく少年のタフさが滲み出ていて、弱々しいオリヴァとは対照的なキャラが際立っていた。
そのドーキンスに連れられ、フェイギンという見たからに悪そうな男に会う。
いやぁ〜、このフェイギンのキャラは素晴らしいです。
思い切りワシ鼻で、目がギロリ。
どこをどう見ても狡賢さがプンプンの子供を使って財布なんかを盗ませているボス。
このフェイギンが、元ヴェルディのラモスに見えて仕方なかったですけど、私・・・(;・∀・)
ちなみに、このフェイギンを演じてるのは「スター・ウォーズ」のオビワン役をやった、アレック・ギネス。
当時は30代だったそうですけど、メイクでかなり老けた感じに見えました。
オリヴァは、いろんな偶然によって祖父に出会うんですねー。そこに繋がるのは、くじ引きで負けたことに始まってるんですけれども。
時代背景の19世紀の初めっていうのは、子供をちゃんと保護しましょうって認識がなかったんですね。
幼い子供が奉公に出るなんて話は、日本でもあったことですし。
オリヴァのような結末は虐げられた子供たちの「夢」でもあったんでしょう。
現在をそのまま当てはめて、出来すぎ・・・なんて貧粗なことを言っちゃいけません。
ところで、ディケンズがこの本を出したことによって、イギリスは救貧院での子供の扱いを見直し、改善したということです。
逆に言えば、本が出るまでは子供たちは虐げられていたのでしょう。
「オリヴァ・ツイスト」もそうですけど、ディケンズは大人に対して戒めているんですね。
※DVDでのタイトルは「オリバー・ツイスト」なのです。

















