ジャーヘッド
2005年アメリカ監督:サム・メンデス
出演:ジェイク・ギレンホール、ピーター・サースガード、ジェイミー・フォックス
(´▽`)つ★★☆☆☆
<ストーリー>
祖父や父親が海兵隊員だったスオフォードは、18才になって迷わず海兵隊に入隊した。
スオフォードは訓練を経て、偵察狙撃隊STAの候補に抜擢され、60名の候補者から絞り込まれた8名に残った。
そんな折、イラクがクウェートを侵攻した。
アンソニー・スオフォードの「ジャーヘッド アメリカ海兵隊員の告白」を基に映画化した作品。
”ジャーヘッド”とは、刈り上がった頭がジャー(ポット)に似てることから呼ばれているそうですが、「中身が空っぽ」という意味でバカにした呼び方でもあるそうです。
この作品、ほとんどピンポイント空爆で始まり終わったという印象のある湾岸戦争での、「砂漠の剣」と呼ばれる地上作戦に参加した兵士のお話・・・ということで、興味本位で観ました。しかも、未だにイラクが混沌としている最中に、わざわざ作った映画の意図はなんだろう?という意味でも関心を抱いたからですが。
まず、湾岸戦争とは?
コトの発端は、1990年8月2日にイラクがクウェートに侵攻して、あっという間に占領下に置き、強引に併合を表明。
国連はイラクを説得しようと努めたけれど応じてはくれず、期限を設けて交渉にあたったんですね。
その期限が1991年1月15日で、それが切れた直後にブッシュ大統領(パパの方)が動き出す。
よほど急いでいたんでしょう・・・国連軍を出すためには安全保障理事会に提出しなくちゃだし、ロシアと中国が反対するだろうから協力国を募って多国籍軍を出撃させた。
それが1月17日で、軍事行動が開始された日。
そして、アラブの問題はアラブで解決しようと、エジプトやシリアなどがアラブ合同軍を作り、多国籍軍に協力します。
で、この映画の舞台になった地上軍は1ヵ月後の2月24日から展開。クウェートを包囲する形でイラク領に侵攻。
25日にはイラク軍は抵抗してスカッドミサイルを撃ち込むんですが、抵抗はそれだけ。
地上戦が始まった3日後には事実上の戦争は終了・・・という、ズバリ映画はその辺りを描いているのです。
主人公のスオフォードは愛国心に燃え、正義感があり、祖国のために戦うんだと息巻いてサウジアラビアにやって来る。
他の兵士も同様だろうと思うんだけれど、どうも戦闘が始まらない。
何もない砂漠の砂嵐の中で、退屈で仕方ない・・・という地上戦に参加する海兵隊員の実情が率直に描かれてはいると思う。
けれども、それを観たところで何を思えばいいのやら・・・?
まぁ、彼らがCNNというメディアを通して、政府のプロバカンダに利用されていたエピソードはナイスなんですけれど・・・。燃えた熱い闘志で戦争に行き、萎えてしまった兵士の告白ということでしょうから、深く考える必要もないかとは思いますが。
とにかく、彼らは「敵」を殺すことが戦争の目的であると信じていたのです。
かつての戦争映画はそんなシーンばかりだし、海兵隊員もそういう映画を観て憧れていたでしょう。
しかし、いかんせん湾岸戦争はハイテク戦争と呼ばれ、空からピンポイントで攻撃が可能になりましたから。
スオフォード含め、彼らは一人も相手を殺してはいません。日常は一人でも殺せば犯罪だけれど、戦争では多く殺せば英雄になる・・・と言いますね。
つまり彼らは英雄になりそこねたんです。
一応無事に帰国して、出迎えられる時の歓迎ぶりとのギャップが心の奥深くに重く圧し掛かっていたのでしょう。
狂気に満ち、修羅場となったベトナム戦争とは違い、役割を果たした満足感のない出兵での虚しさでしょうか?
米軍が使用した、劣化ウラン弾の影響を受けているイラク人が今尚いる中で、この作品での「人殺しができなかった」という元海兵隊員の心の叫びは、本当に「どうでもいいこと」です。
キレイごとのように、「日常でも銃を携えた兵士なんだ」と締めくくってますが、胡散臭すぎて笑うこともできませんでした。
湾岸戦争もイラク戦争もアメリカを守る戦争ではなく、アメリカの一部の利権者を守る戦争でしかないことを世界は知っているのに、相変わらずアメリカ国民って信じたがらないんだなということがわかりましたけどね。
戦争により、原油価格が高騰して儲けたのは誰でしょうか?
結局、この時期に対イラク戦争(湾岸戦争)を映画として作った意図は量りかねました。

















