シリアル・ママ
1994年アメリカ監督:ジョン・ウォーターズ
出演:キャスリン・ターナー、サム・ウォーターストン、リッキー・レイク
(´▽`)つ★★★★☆
<ストーリー>
社会のルールを重んじ、家族を大事にする主婦ビヴァリーは、自分にとって気に食わない人間に対し、次々と容赦なく制裁を与えていく。
やがて、殺人容疑で逮捕されたビヴァリーは、無実を主張し、全米の注目を集めていく。
冒頭に「これは実話です」と出てくるんですけど、本当かどうかは不明。
もしかしたら、そこら辺もジョークなんではないかと思いますが・・・というか、そう思いたいくらいの内容ですので・・・。
独善的なビヴァリーが、イラっときた相手を次々に殺害してしまうシリアル(連続殺人)ママ・・・という、かなりスパイシーなブラック・コメディ。
ビヴァリーは、とてもキチンとした主婦。家の中でガムを噛むことを禁じ、ゴミの分別も徹底し、車に乗る時は必ずシートベルトをする。
食事の前のお祈りだってやる。
そんな徹底しているビヴァリーだからこそ、無頓着な人間が許せないのです。
多かれ少なかれ、人間は自分の中にルールを持っていて、「〜〜すべき」「〜〜でなければならない」という価値観があるもの。
それ故に、自分の価値観から外れた行為に対してムカッとくるのは、誰もが経験していることだと思うんですよ。
ビヴァリーのやってることは極端であるけれど、どこか共感めいた気持ちもなきにしもあらず。
しかもビヴァリーは、自分勝手のように振舞っているように見え、実は人から背中を押されてる部分があるんですよね。
自分はムカつく、そして誰かも同じ相手にムカついてると知ると、それで自分の腹立たしい感情が正当化される。
あとは行動に移すのみ。
ビヴァリーの行動は本末転倒のようにも見えるんですけども、アメリカでは「命を粗末にしてる」とかで堕胎手術をした医者を殺害した宗教団体がありますから、まんざら映画だから極端・・・って話でもないんですね。このように、この作品はアメリカ社会を痛烈に風刺しているとも言えます。
ビヴァリーの独善的なところは、まんまアメリカでもありますし・・・。
何をやってもビヴァリーがサバサバしていているのは、正義をまっとうした満足感からでしょうからねー。
こういう神経図太い女性にピッタリなキャスリン・ターナー。
目が笑っていない笑顔が申し分ないです。
それでいて、頭ん中がお花畑っぽい雰囲気も最高。
まさにその怪演っぷりが、彼女に目をつけられたらヤバイ!っていう恐さを醸し出している。
とても潔いバカバカしさと毒を堪能できる、ブラック・コメディです。

















