グアンタナモ、僕達が見た真実
2006年イギリス監督:マイケル・ウィンターボトム、マット・ホワイトクロス
出演:ファルハド・ハールーン、アルファーン・ウスマーン、リズワーン・アフマド
(´▽`)つ★★★★☆
<ストーリー>
パキスタン系イギリス人のアシフは、結婚式をパキスタンで挙げるため、友人のローヘル、シャフィ久、ムニ−ルを誘い、パキスタンへと渡った。
彼らはムスクで隣国のアフガニスタンに米軍が侵攻し、混乱していると知り、何か手助けできないかとアフガニスタンに向かった。
国境を越えると米軍の空爆が始まり、危険を感じたアシフらはパキスタンに戻ることにした。
しかし、彼らが乗ったトラックはタリバンの基地へ向かい、米軍から攻撃を受ける中ムニ−ルが行方不明、他の3人はアルカイダと繋がりがあると思われ、米軍によってキューバのグアンタナモ基地へと移送される。
多くのドキュメンタリーを撮っているマイケル・ウィンターボトムが監督し、本人のインタビューを交えた再現ドラマで構成された作品。
こういう映画を米国の同盟国でアフガン攻撃を支持したイギリスが作ったこと、表現の自由が徹底的に成されていることを評価したい。
ベルリン国際映画祭、銀熊賞を受賞。
TVでよく用いられる、本人のインタビュー映像を挟み込んだ再現ドラマ仕立てながら、再現ドラマは忠実に描かれていると思われます。よくここまで再現できたな・・・というところで、実際の映像も重ねながら違和感がないほどのリアルさ。
しかし、この手法に違和感がある人もいるようですが、あくまでも映画として観るのか?それとも、作り手の訴えかけを観るのか?で違ってくるでしょう。
そして、この作品に登場するアシフら4人の若者の行動を安易であり、自業自得として捉えて、「自己責任」なんだから・・・と問題を直視することを避けるのも映画の趣旨からあえて外れる観方だと申し上げておきましょう。
彼らの行動・・・つまりアフガンに入ったことは軽率だったかもしれません。しかし、同じイスラム教信者として、何かできないか?と思うのは、他の外国人がノコノコ出向くのとは違う精神だと思います。
そして、彼らの取った行動のてん末がアメリカ軍によって最悪な状況に置かれるなど、誰がその時に予測できたでしょうか。
この作品は、そんな「軽率な行動」をしたパキスタン系イギリス人の若者が体験した、グアンタナモ基地の告発なのです。
アメリカによるアフガン攻撃やイラク攻撃は忘れ去られ、最近の報道ではテロの情報しか伝わってきません。私もそのひとりでしたが、キューバのグアンタナモ基地に於ける収容されている人々への人権侵害や抑圧の件も忘れていました。
ところが、そのグアンタナモには今現在(2007-7現在)375人の人が収容され、その多くが5年以上も入れられているそうです。
多い時には700〜800人収容されていて、国交のないキューバに半ば強引に米軍基地を置き、アメリカの法律どころか国際法すらも及ばない状況にして、収容されている人々を「敵性戦闘員」と位置付け、ジュネーブ条約で定められた捕虜に対する規定すらも該当しないようにした悪質な行為。
アシフらは、アルカイダとの関与があることを認めるように強要されますが、拒否し続ける。動物を入れるような檻の中に閉じ込められ、炎天下の中に晒されている状況や、何時間も無理な姿勢を取らせる拷問のような行為に驚愕するばかりです。
「戦争」ではない一方的にテロの報復だとアフガン攻撃を仕掛け、疑わしきは罰せずどころか、怪しい人間は有無も言わせず強制連行し、きちんとした審議もなしに抑圧。
登場するアシフたちは2年間グアンタナモに置かれたそうです。
そして、アメリカ政府は彼らに一切謝罪はしていないそうです・・・アメリカの下院は慰安婦問題の件で、日本に対し謝罪せよという決議案を出しているくせに・・・です。
【最近のグアンタナモに関する動き】
昨年、ブッシュ政権は「敵性戦闘員」と認定された外国人が米国の連邦裁判所に人身保護令状請し、拘束の不当性を訴えることを禁じる法律を制定しました。
そして、米裁判所の司法権は、グアンタナモ基地内の敵性戦闘員の訴えには及ばないと主張し、訴えを却下するよう求めたが、最高裁はこれを退けました。
先日、米最高裁は、敵性戦闘員から出された期限なしの拘束について、民事裁判で争うことを求める訴えに関し、審理することを決めたという報道がありました。

















