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リリア 4-ever

2002年スウェーデン
監督:ルーカス・ムーディソン
出演:オクサナ・アキンシナ、アルチオン・ボクチャルスキー

(´▽`)つ★★★★☆

<ストーリー>
ロシアの小さな町で暮らす16才のリリア。
母親とその恋人とのアメリカ移住を楽しみにしていたが、母親はリリアを残し去って行った。
母親が置いていった僅かなお金で、母親がアメリカに呼んでくれる日を待ちながら細々と生活していた。
しかしお金が底をつき、リリアは売春をして生活費を稼ぎ始めた。
そんなある晩、道を歩いていたリリアはアンドレイという男に声を掛けられた。
リリアの生活ぶりを心配し親切にしてくれるアンドレイから、スウェーデンで一緒に暮らそうと言われ、リリアは新しい生活に胸を躍らせ祖国を後にしたが・・・。


※ネタバレ含んだ記事です。

「ショー・ミー・ラヴ」に引き続き、若い女の子の青春物語・・・と言っても、この作品は強烈に胸が痛むストーリーになっています。
はっきり言ってキツイです。

lilia2.jpgどんよりとした空、味もそっけもない雰囲気の団地。
アメリカに移住すると大喜びのリリアの姿から始まるこの作品、次の場面では一気に奈落へと突き落とされるリリアの姿になってしまいます。
母親と恋人だけがアメリカに行くという話になり、容赦なくリリアは置いていかれる。
車で出発しようとする母親にすがり付いて喚く姿が、演技を超えた凄さで胸が押しつぶされそうになりました。

とにかく、非常に残酷なお話です。
こういう青春像は、少なくとも商業映画では手を出さないテーマです。
この作品も、詩人でもあるムーディソンならではの細やかな視点とリアル感を伴なったカメラの撮影手法が見事にマッチしています。

lilia.jpg親の身勝手さに子供をたったひとり置いて外国へ行ってしまうのも、売春をしてまで生活費を稼がなくちゃいけないのも、現実的にも多く存在する話だからこそ、そういう現実から目を背けていた・・・ということに気付かされます。
そして、この作品に出てくる大人たちは皆自分勝手。
そう・・・夢も希望もある若者の前途をぶった切るのは、社会であったり、その社会を支える大人たち。
ひとりで生きていくには未熟な子供たちは、そういう大人たちの犠牲者なんだ・・・ということを「これでもかっ!」と描いているのです。
リリアが仲良くしている近所の男の子も、父親から虐げられていて、家に帰りたがらず、ほとんどストリート・チルドレン。

lilia3.jpgリリアは仕方なく売春を始めるんですが、アンドレイの「新しい生活」という言葉を信じてスウェーデンへと旅立つ。
しかし、ここでも希望から奈落へ突き落とされるんです。
親切なフリして、アンドレイは売春業者の仲介人みたいな仕事をしてたんですね、結局。
リリアはマンションの一室で監禁され、仕事をさせられる時に外へ連れ出されるという、奴隷のような扱いをされてしまう。
まったく!何なの!?この仕打ち!!・・・ってくらいに気の毒で気の毒で。

リリアは天使が描かれた絵をいつも大事そうに持っていて、その絵に向かってお祈りを捧げていたんですけど、救われない苛立ちから絵を破壊する。
リリアがロシアで仲良くしていた近所の男の子は、リリアがスウェーデンに旅立った日に自殺。
その男の子が天使の姿になって、リリアを慰めにくる・・・という描写は賛否があるようですが・・・。
リリアが隙を見て逃げ走った後、その男の子の元へ旅立ったというラストシーンは、「死ぬしか道がなかったのかなぁ〜」と思うと同時に「良かったね・・・」と思える自分が・・・。それだけ、居たたまれないお話でした。

ところで、ムーディソンは「普通っぽいんだけど、可愛い女の子」を起用するのが上手いですね。


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2007年08月25日 映画ま〜わ行 2000年以降 トラックバック:- コメント:-