ある子供
(*´∀`*)つ★★★★☆2005年ベルギー・フランス
2005カンヌ国際映画祭バルムドール大賞受賞
<ストーリー>
ブリュノは中学生の子らとコソ泥を繰り返し、その日暮をしていた。
一緒に暮らしていたソニアとの間に子供が生まれるが、そういう生活を改めようとしなかった。
子供の認知はするものの、父親の自覚はなく、ソニアの目を盗んで闇で子供を売買している組織に自分の子供を売ってしまう。
それを知ったソニアは失神し、病院へと担ぎ込まれ、ブリュノは自分の仕出かしたことの重大さに気づく。
ブリュノは何とか子供を取り返すが、ソニアから許してもらえず、そして闇の組織からは違約金を払うよう脅されるのだった。

ダルデンヌ兄弟の作品で、今回もドキュメントタッチで描かれています。
いきなりソニアが子供抱いているシーンから始まり、それがどんなシーンなのか説明らしきものは一切ありません。
そして、状況を読めるような音楽を一切使わないのも、ダルデンヌ兄弟らしいところです。
カメラはひたすらブリュノにくっついて行く。
「それがどうした?」と思えるようなシーンも黙って映し出していく。
印象的だったのは、ベビー・カーを押しているブリュノの姿。
その姿には父親の優しさは感じられません。
ソニアが子供を産んだことで、母性によって母親としての責任感が出ているのに比べ、ブリュノには親としての自覚がない。
これは何もブリュノに限ったことではなく、男が大人の自覚、親の自覚というものを持つのは意識的なことだということだろうか・・・。
中学生の子供と一緒に人から物を盗み、それで小銭を稼いでいく生活よりも、コツコツ働く人間を見下げてしまっているブリュノは、どこにでもいる若者像に感じた。
あまりにも特異な若者像でないブリュノに、なんと言うか・・・哀しみすら感じてしまった。
働かず、好きな娘と楽しく気ままに暮らしたい・・・というのは、誰しもどこかで抱く憧れだろうし。
経済的なことや社会性なんかどうでもいい!という、どこにでもいる若者がブリュノなのだ。
ラストもまた、なんの効果音もなくブリュノとソニアが2人で泣いているシーンで終わる。
なんで泣いているのか、ブリュノは何を思っているのか、それは一切匂わせない。
突然終わるラストは、「息子のまなざし」の方が強いかもしれないが、ダルデンヌ兄弟の手法は好む人と好まない人とがいることでしょう。
ドキュメント出身の監督だけあって、映画と言えども登場人物の人生はまだ続くのだ・・・という見せ方は巧い。

















