トンネル
( ´∀` )つ★★★★★2001年ドイツ
<ストーリー>
冷戦時代のドイツ。
東ドイツの水泳チャンピオンのハリーは、1953年の反ソ暴動で実刑を受けたことがあるほど、自由を抑圧する共産主義を嫌っていた。
そんなハリーに、西側へ脱出するチャンスが訪れる。
先に西側へ脱出していた仲間の協力で、偽装パスポートと変装によって脱出したのだ。
しかし一緒に脱出するつもりだった妹夫婦は、子供を危険にさらしたくないと、脱出を諦める。
その後に、ドイツの東西を分断する壁が・・・。
ハリーは西側で落ち合った仲間と共に、東側に残っている家族を救おうとトンネルを掘る計画を立てる。
まず、ドイツの第二次世界大戦後を知る必要がありますね。
戦後のドイツは勝戦国である、米・仏・英・ソ連(当時)によって分割占領された。
1949年に西側=ドイツ連邦共和国、東側=ドイツ民主共和国、となった。
東ドイツの住民の多くは共産主義者ではなかったため、西側に流出する人が多発していた。
戦後の復興を図っている東ドイツ政府にとって、多くの労働力が西側へ流出することを阻止する必要に迫られた。
そして、それまで行き来が自由だった東西ドイツに、1961年8月13日有刺鉄線などで仕切りが造られ、同月15日にはコンクリートブロックの壁に変わり、同月23日には西側へのすべての輸送、交通網が遮断された。
以降、1989年11月に壁が崩壊されるまで、東西のドイツの分断の象徴として壁があり続けた。

この作品はTVの深夜で放映されたのを観ました。
ドイツでは、TVドラマ用に作られ、後に映画用に編集されたものらしいです。
ベルリンの壁が崩壊してから十数年が経ちましたが、日本が経済成長期を迎えた頃にベルリンに壁ができたなんて、これは知りませんでした。
そして、この作品を観るまで、東ドイツの体制がどのようなものだったかも知りませんでした。
この作品は、単にトンネルを掘って妹たちを助ける・・・という単純なお話ではありません。
東ドイツに存在した秘密警察とその協力者(IM)が東ドイツの人々の自由をコントロールしていく様や、誰がIMかわからない中で密告される恐さ。
それらを巧みに絡ませて物語りは進んでいくので、ハラハラしながら観ていくことになります。
壁によって引き離された家族や恋人の苦悩・・・。
壁を挟んで恋人同士が会いに行き、たまらず壁によじ登った東側にいる彼氏が壁の向こうで撃たれてしまうシーンは、東西分断の悲劇を象徴するシーンだなと思います。
東ドイツの警備兵が叫びます。
「降りろ!降りないと撃つぞ!!」
その表情は懇願してる風でもありました。
撃ちたくない、殺したくない・・・だから壁から降りてくれ、と。
壁から降りようとしない男を撃った後の兵士の顔がなんとも切なげだった。
一方的に東ドイツを悪者に仕立てていないという、監督の配慮が垣間見れたシーンであったかもしれませんね。
ベルリンの壁ができてから、東ドイツでは5000人以上の人が脱出を試み、200人以上の人が命を落としたそうです。
敗戦国であった同じ立場の日本も、実はドイツと同じ道になるかもしれなかったそうです。
アメリカだけが占領した背景はよくわかりませんが、そういうことを考えたら何とも言えない気分でした。

















