隠された記憶
(´Д`)つ★★★☆☆2005年仏、オーストリア、独、伊
出演:ダニエル・オートゥイユ、ジュリエット・ビノシュ
<ストーリー>
テレビの人気キャスターであるジョルジュは編集者の妻アンと息子ピエロの3人暮らしをしている。
ある日、ジョルジュの家を延々と写したビデオが届く。
最初は単なるイタズラだと思っていたジョルジュだったが、不気味な絵と共にまた届けられたビデオを境に、ジョルジュの子供の頃の記憶が甦ってきたのだった。
まず初めに、この映画のDVDを家族が借りてきたために、事前の情報をまったく知らずに観た・・・ということで、「訳わかんねぇ〜・・・」というのが観終わった直後の率直な感想。
衝撃のラストシーンと言われているシーンも、TV画面の小ささで家族も誰一人気づかなかった(;´∀`)
それゆえに、私の頭の中では映画を反芻しなければならなくなった。
いったい私は何を見たのだろう・・・?

はっきり言って、私はこの映画を観るまでフランスとアルジェリアの関係をよく知らなかった。
サッカーのフランス代表だったジダンがアルジェリア系移民だし、彼はフランス国民のヒーローだから、特にアルジェリアだからと気にも止めていなかった。
映画の主人公ジョルジュは子供の頃、アルジェリアの使用人のいる家で育った。
その時期は恐らく、アルジェリア独立戦争が起こっていた時期だろう。
フランスとアルジェリアの関係を知らないで、この映画を観てもジョルジュの心の闇も理解できないだろうし、マジッドの苦しみもわからず、単なる犯人探しで終わってしまいそうだ。
フランスは、サッカーの親善試合をアルジェリアとやった時アルジェリア人の騒ぎが起きたり、アルジェリア系フランス人による暴動も起きたりと、決して過去の出来事にはなっていない。
つまり、フランスにとってアルジェリアは平和な間柄ではないということ。
植民地を多く有したフランスならでは・・・と言ったら大変失礼だけれど、それによって差別や抑圧もあったことは事実で、しかもそう遠くない昔の話だから現在進行形であると言ってもいい。
つまり、マジッドの息子もまだその渦中にいる訳で、もしかしたらアルジェリア系の子供や孫の世代の方が報復する気持ちは強いかもしれない。
ジョルジュは、単なる子供の頃のイタズラや嘘だと言っているけれど、決して「子供だったから」という理由にはならないと、本人が一番わかっていたんじゃないだろうか。
差別する優越感と罪悪感。
ビデオの件で罪悪感が恐怖感に変ったのかな?とも思う。
アルジェリア人によるテロも実際に起きているというし、そういう背景がわからないと映画の数パーセントも見えてこないかもしれませんね。
でもこの映画が人道賞を受賞したのはなぜだろう?
フランス人のアルジェリア人への懺悔の意味なんだろうか?
それとも、ジョルジュが過去にしでかした差別に対する罪悪感で苦しむからだろうか?
この辺は、当のフランス人でなければわからないんだろうけど・・・。
そういえば、ジョルジュの息子ピエロの部屋にジダンのポスターが貼ってあったね。
きっと、ピエロくらいの年の子は、アルジェリア系の人に対して偏見は持たないんだろうね。
でもアルジェリア系の人はそうじゃないっていうか・・・。
ジダンがW杯でイタリアの選手に頭突きした時も、差別的なことを言われたんじゃないか?とフランスでは大騒ぎだった。
その差別がどんな意味を持つのか、日本人は無頓着だったけれど。
あのジダンの行為に、フランス人から大して批判されなかった理由もわかってくる。
衝撃のラストシーンは、フランス人にとっての衝撃なんではないかな?
他国にはわからない事情が絡んでいると、深く読み取れないのは致し方ないかもしれませんね。

















