モーリス
1987年イギリス監督:ジェームズ・アイヴォリー
出演:ジェームズ・ウィルビー、ヒュー・グラント、ルパート・グレイヴス
(´▽`)つ★★★★★
<ストーリー>
1909年、ケンブリッジ大学。
キングスカレッジ寮生のモーリスは、同期のリズリーに会うため訪れたトリニティカレッジでクライヴと出会った。
それ以降、モーリスとクライヴは親しくなり、ある日モーリスはクライヴから愛の告白を受ける。
一旦は拒んだモーリスだったが、自らもクライヴを友人以上の感情を持っていることに気づく。
しかし、お互いに社会へ出た辺りから、2人の関係が少しずつズレ始めていく。
原作者E・M・フォスターの自伝的小説の映画化。
ジェームズ・アイヴォリーらしく、美しい映像と音楽で禁断の愛を描いた映画。
ケンブリッジ大学や大英博物館などで撮影がされ、イギリス好きの私は「たまらんっ!」と身悶えしそうです(*´∀`*)
モーリスはお坊ちゃま育ちからか、ちょっと鈍感気味なところがあるんですけど、物凄く純粋でもある。クライヴに「愛している」と言われ、とっさに「バカ言うな」と突き放しながら、そう言われてみると自分もクライヴのことを愛しているかも・・・と、やっと自分の気持ちに気づくんですねー。
一方、クライヴは頭が良くて野心家でもある。
その頭の良さで世間をいろいろ知っていくと、同性愛はヤバイ・・・ということに気づく。
20世紀の初めの頃は、イギリスでは同性愛は認められないどころか犯罪扱いされていた。
大学の授業でギリシャ文学の授業中、同性愛を綴った文面を「ギリシャの悪習」と教授が言い放つほど、タブー視されていた。
学生の間はクライヴもさほど気にしていなかったが、友人のリズリーがそれによって逮捕され、約束された将来も棒に振ってしまったことをクライヴは重く受け止める。
この辺から、モーリスとの間に溝が生じてくるんですね。
どうしてもモーリスはクライヴの気持ちがわからない。ここでハッキリと、愛に対して純粋なモーリスと、社会的失墜を恐れてしまっているクライヴの価値観が表われる。
同性しか好きになれないことで、モーリスは自分が異常なのかと悩む。
当然モーリスも同性愛は許されることではないと知っていて、悶々としていることを激しい運動なんかして解消させる努力はするんですが・・・。
モーリスが診てもらった精神科医(ベン・キングスレー演じる)が、「イギリスという国は人間の本質を否定し続けた国」というセリフがありますけど、原作者E・M・フォスター自身が痛感したことなんだろうと思う。
だからこそ「モーリス」という小説は、彼の遺言により死後ずっと出版されなかった。
同性愛を扱った自伝であるゆえ、家族に迷惑をかけないために出版できるまで長い時間封印されていたそうです。
フォスターのファンであったアイヴォリーは、とにかく細部にまで拘ったといいます。
当時の服装から小物まで、本当に20世紀初頭のイギリスを堪能できます。
だから、何度観ても飽きません。
さて、映画のラストは小説と一部分前後させていますが、映画は余韻を残すということで構成的に良かったと思う。階級制度の時代にあって、モーリスは自分よりも身分の低い人間を愛し、愛だけに生きようと決意する。
それをモーリスから告げられたクライヴ・・・絶句します。
窓越しに見えるクライヴの表情が意味ありげで、何を想っているのだろう?とずいぶん憶測をしたものです。
沢山のゲイを扱った映画がある中で、数少ないハッピー・エンドを漂わせた映画。
ウットリしながら、エンドクレジットに突入♪
音楽も本当に良くて、モーリスの世界から抜け出したくないっ!という気にさせられるほど。
だから未だに人気があるんですよねー、「モーリス」は。

















