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ジーザス・クライスト・スーパースター

1973年アメリカ
監督:ノーマン・ジュイソン
出演:テッド・ニーリー、カール・アンダーソン、イボンヌ・エリマン

(´▽`)つ★★★★☆

<ストーリー>
ローマの支配に怯えるユダヤ。
ひとりの人間として、神と民衆の狭間で苦悩するイエス。
しかし、多くの民衆から支持されていたイエスに、祭司たちとユダヤ議会は民衆扇動と暴動を恐れていた。
彼らはローマ総督ビラトに圧力をかけ、イエスの処刑を画策する。
そしてイエスの弟子、ユダの裏切りによって磔刑に処せられる。


「屋根の上のバイオリン弾き」のノーマン・ジュイソンが監督し、音楽はアンドリュー・ロイド・ウェバー、作詞はティム・ライス。
1971年にブロードウェイで初演された舞台の映画化で、舞台も務めた主要な登場人物3人が映画にも出演している。

jcss.jpgイエス・キリストの最期の7日間を聖書通りに描いた作品で、セリフなしの全編歌と踊りで表現したロック・オペラという斬新なミュージカル。
撮影はイスラエルで行ったそうですが、壮大な風景をバックに人工的なセットは作らず、砂漠の遺跡が使われたそうです。
気温40℃を越える中での過酷な撮影だったということですが、舞台の映画化とは言え、息を飲むような自然が作り出した風景が圧巻。

「ダヴィンチ・コード」以上に、この作品もキリスト教団体の猛反発があり、映画館が爆破されたり放火されたらしいです。
なんせ、ユダが黒人ですし、イエスは神々しいどころか悩みっぱなしで、しかも音楽はロックにジャズだったりしてますので、反発されない方がおかしいかも・・・。

jcss3.jpgしかし、作品としては逸品。
まず、砂漠の中を1台のバスがやってきます。
その中には作品を演じる若者たちが乗っていて、到着するやいなやバスを降りて衣装に着替える・・・そんな風に始まる。
そして、もはや自分の持つ力以上のものを求める民衆に苦悩するイエス。
そんなイエスを心配して言い諭すユダに、イエスを癒そうと懸命なマグダラのマリア。
あとは聖書通りの展開らしいのですが、なにぶん私は聖書を読んだことがないので、「人間イエス」として先入観もなく観ていくことができたかもしれません。

奇跡を示したイエスを神として崇める人々。
しかし、イエスはただの男である・・・ということをこの作品は強調していたように思います。
マグダラのマリアに慰めてもらい、自分の器以上のことを望む民衆の期待にほとほと疲れ、人のことどころか自分のことでも精一杯なイエス。
ユダの苦言にも耳を貸さず、頑なな心になっていくイエスの姿は、あまりにも痛々しい。

jcss2.jpgで、この作品はロック調のミュージカル仕立てなので、宗教色をそれほど感じさせず、キリスト信者でなくともスンナリ入っていけました。
ユダ役のカール・アンダーソンの魂を振絞るような歌は本当に素晴らしかったし、マグダラのマリア役のイボンヌ・エリマンの包み込むような歌も素晴らしかった。
ユダの歌の中で、処刑されたイエスに向けて「釈迦やモハメッドと仲良くやってるか?」という歌詞がありますが、中東戦争やベトナム戦争が起きていた時代であることが大きなポイントであろうかと思います。

イエスが生きた時代を忠実に・・・という意図はなく、むしろ現代とリンクさせている演出がこの作品の特徴。
戦車や戦闘機が登場するあたり、人間は争いを何千年も繰り返し続けているという皮肉を込めているようです。
神はそれを止める術を持たないのか・・・?という問いかもしれませんし。
そして、映画は全てを演じた出演者たちが再びバスに乗り込み、走り去って終わりを迎えます。

jcss4.jpgさて、この映画で有名な歌が「superstar」ですね。
映画を観てなくとも知ってるくらい有名な歌ですけど、作品の中で聴くと鳥肌が立つくらいシビレました。
イエス役のテッド・ニーリーはカッコいいですねー。
なんでも、2006年から再演されている舞台に、60才を過ぎたテッドが再びイエスを演じているそうです。
映画の中では、テッドのシャウトする歌声が強烈でしたけど、そのシャウトは健在なのでしょうか?

日本では、歌の著作権か何かの壁があってDVD化はまだされていません。
jcss5.jpg
こちらの「ジーザス・クライスト・スーパースター」専門のサイトは、より詳しく深く知ることができます。
    ↓
http://www.geocities.jp/jcs_1973/index.html


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2007年06月26日 映画あ〜さ行 1970年代以前 トラックバック:0 コメント:0

アニマル・ハウス

アニマル・ハウス スペシャル・エディション1978年アメリカ
監督:ジョン・ランディス
出演:ジョン・ベル−シ、トーマス・ハルス、スティーブン・ファースト

(´▽`)つ★★☆☆☆

<ストーリー>
1962年9月、新学期が始まった名門フェ−バー大学。
さえない新入生ラリーとケントは、学生クラブの中でも秀才揃いの「オメガ・ハウス」のドアを叩くも、典型的なアイビー・リーガー、グレッグやダグから相手にされなかった。
頭にきた2人は、隣の「アニマル・ハウス」のドアを叩く。
そこにいたのは、だらしない学生たちばかりだったが、「喧騒」と「狂気」の溜まり場に親しみを感じた2人はさっそく入会する。
一方、名門フェ−バー大の品位を脅かす「アニマル」の存在は学長にとって悩みの種で、改めて彼らの一掃を決意する。


公開当時、アメリカでは大ヒットした作品で、TV番組「サタデー・ナイト・ライヴ」の出演者も多く出ているこの作品は、コアなファンがいるそうです。
そのせいかどうか、アメリカではドタバタコメディーながら永久保存版の作品に指定されたとか・・・。
日本ではコケた作品です。
ちなみに、トーマス・ハルスは現在名トム・ハルス。

ah3.jpgなんとなく「アメリカン・グラフィティ」のパロディっぽい映画なんですけど、当時のアメリカン・ギャグが好きだという人以外には、「どこが面白いんだ?」という印象しかないでしょうねー。
こういうハチャメチャなドタバタ・コメディーは、好き嫌いがあると思いますし・・・。
お笑いっていうジャンルは国民性がよりよく反映されるもので、視覚でハチャメチャぶりを見てウケるよりも、落語や漫才のような話術や身振りを見て想像しながら「プッ・・・」と笑うことを好む日本人。
正直申しまして、私もドタバタ過ぎるのは好きではありません。
ですから、この作品自体がオススメというよりは、ジョン・ランディスの骨頂でもある時期の作品として紹介したいと思います。

ah.jpgこの作品の時期は、まだジョン・ベル−シは麻薬中毒として深刻な頃ではなかったので、彼のお笑いのセンスが光ってると言っていいでしょう。
昔、ビデオで観た「サタデー・ナイト・ライヴ」のジョン・ベル−シが好きで、この作品は彼らしさが充分出ています。
でもその後、案外ストイックな彼は、お笑いを極めたいがために麻薬中毒に陥ってしまい、「ブルース・ブラザース」では彼の良さが消えてしまっていました。
そんなことで、波に乗ってたジョン・ランディスとジョン・ベル−シのコンビと、当時大人気番組であった「サタデー・ナイト・ライヴ」のメンバーが出演してるとなれば、アメリカでウケないはずもありませんね。

ah4.jpgさて、この作品は今観ると何気に凄い人たちが出ています。
この作品がデビュー作のケヴィン・ベーコンやトム・ハルス。
まだ若々しく、ぽっちゃりしたカレン・アレン。
教授役にドナルド・サザーランド・・・今は悪役っぽいイメージで定着してますが、この作品ではお尻を披露(;・∀・)
そして、これは余談ですけど、「アニマル」の会長役の俳優さんがどうしてもブッシュ大統領を若くしたような顔なんですよねー。

こういうB級っぽいコメディ映画ながらも、未だにアメリカではファンがいるんでしょうねぇ。
映画の製作期間が1ヶ月ちょっとだったらしく、その割には大ヒット。
そして永久保存映画にも指定・・・アメリカって国は懐が深いんですね。
音楽は巨匠エルマー・バーンスタイン。
「荒野の七人」から「アニマル・ハウス」までってことで、これまた物凄い幅の広さです。

ah2.jpg

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2007年06月23日 映画あ〜さ行 1970年代以前 トラックバック:0 コメント:0

オリヴァ・ツイスト

オリバー・ツイスト1948年イギリス
監督:デイビッド・リーン
出演:ロバート・ニュートン、アレック・ギネス、ケイ・ウォルシュ、ジョン・ハワード・デイヴィス

(´▽`)つ★★★★☆

<ストーリー>
19世紀の初頭、ある冬の嵐の夜、一人の女性が授産場にたどり着いて男の子を産み、間もなく息を引き取った。
生まれた男の子はそのまま救貧院へ連れて行かれ、オリヴァ・ツイストと名付けられた。
9才に成長したオリヴァは、ある日くじ引きで負けてスープのおかわりをする役をさせられ、罰として葬儀屋へ奉公に出される。
しかし他の奉公人からイジメられ、耐え切れずに皆が寝静まっている早朝逃げ出す。
七日間歩き続けたオリヴァはロンドンにたどり着き、そこでドーキンスという少年に出会い、フェイギンという男の元へ連れて行かれる。


チャールズ・ディケンズの原作を映画化。
後にも何度か映画化されている。

ot.jpg最近リメイクした「オリバー・ツイスト」は未見なので比較はできないんですけれど、モノクロで描かれているこの作品を観て、昔の本の挿絵のような雰囲気が堪能できました。
現代に於いてのモノクロは、言わば違う世界に誘ってくれるムードがあり、どこか想像できる余地を残してくれる。
ストーリーは昔話らしい展開だし、その話の内容を真面目に「だから、何?」と突っ込むのは邪道であります。

色が白くて痩せこけたオリヴァの眼差しは真っ直ぐなのが印象的。
対して、ずるい大人たちは太っていたり、いかにも利己的であるような顔ばかり。
子供たちは薄まったスープと僅かなパンだけなのに、大人たちがテーブルに所狭しと並ぶご馳走に貪りつくシーンは、私が子供の頃に読んだ話に出てくる嫌な大人のイメージぴったりで唸ってしまった。
「こいつら最悪だ」という嫌悪感を醸し出すシーンとしては絶品。

ot3.jpgロンドンに着いたオリヴァが人並みにもまれながら、ドーキンスという少年に出会う。
このドーキンス役の少年もなかなか良くって、ひとりで生きていく少年のタフさが滲み出ていて、弱々しいオリヴァとは対照的なキャラが際立っていた。
そのドーキンスに連れられ、フェイギンという見たからに悪そうな男に会う。
いやぁ〜、このフェイギンのキャラは素晴らしいです。
思い切りワシ鼻で、目がギロリ。
どこをどう見ても狡賢さがプンプンの子供を使って財布なんかを盗ませているボス。
このフェイギンが、元ヴェルディのラモスに見えて仕方なかったですけど、私・・・(;・∀・)

ちなみに、このフェイギンを演じてるのは「スター・ウォーズ」のオビワン役をやった、アレック・ギネス。
当時は30代だったそうですけど、メイクでかなり老けた感じに見えました。

ot2.jpgオリヴァは、いろんな偶然によって祖父に出会うんですねー。
そこに繋がるのは、くじ引きで負けたことに始まってるんですけれども。
時代背景の19世紀の初めっていうのは、子供をちゃんと保護しましょうって認識がなかったんですね。
幼い子供が奉公に出るなんて話は、日本でもあったことですし。
オリヴァのような結末は虐げられた子供たちの「夢」でもあったんでしょう。
現在をそのまま当てはめて、出来すぎ・・・なんて貧粗なことを言っちゃいけません。

ところで、ディケンズがこの本を出したことによって、イギリスは救貧院での子供の扱いを見直し、改善したということです。
逆に言えば、本が出るまでは子供たちは虐げられていたのでしょう。
「オリヴァ・ツイスト」もそうですけど、ディケンズは大人に対して戒めているんですね。

※DVDでのタイトルは「オリバー・ツイスト」なのです。


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2007年05月18日 映画あ〜さ行 1970年代以前 トラックバック:0 コメント:0