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トランスアメリカ

トランスアメリカ2006年アメリカ
監督:ダンカン・タッカー
出演:フェリシティ・ハフマン、ケヴィン・ゼガ−ズ、フィオヌラ・フラナガン

(´▽`)つ★★★☆☆

<ストーリー>
トランスセクシャルのブリ−は、男性の身体を完全に変える手術を控えていた。
そんなある日、若い頃1度だけ関係を持った女性との間にできた息子が、窃盗の罪で拘置所に入ったとの連絡を受ける。
過去に向き合うようにとカウンセラーに言われ、しぶしぶ息子トビーを保釈するためにニューヨークへ行き、自分の正体を伏せたまま、トビーの継父が暮らすケンタッキーへ送り届けようとするが・・・。


映画の要素でもあるアメリカ横断(TransAmerica)と同一性障害(Transsexual)をもじったタイトルがなかなか上手いです。

t-a3.jpgブリ−自身、そしてトビーとの親子関係も不完全・・・という感じでストーリーは展開します。
すっかり自分の息子のことなんぞ忘れ、自分が女性として完璧に生きていくことだけを考えてきたであろうブリ−。
長い間待ち望んできた、女性の身体になれる直前に息子と関わらねばならない事態に・・・。
ブリ−が男性だった証の息子トビー。
そのトビ−との旅を通じてどうなるのか?というお話ですが、女性になろうとしていてもブリ−は所詮父親だな・・・という雰囲気。

t-a2.jpg自分の正体は明かせないということと、長い間息子と会っていなかったというブリ−の複雑な気持ちは滲み出ていたと思います。
そして、やはりどこか父と息子・・・という複雑なニュアンス。
そんな不完全さを漂わせた作品で、ギクシャクした旅という発想はユニークです。
ただ、息子のトビ−は単にやんちゃな青年という感じだったのが残念。
継父に性的に虐げられ、母親が亡くなった直後に家出して男娼をしながら生きてきた・・・という背景があるんですけど、斜に構えてるだけで余り陰のない雰囲気。
トビーのキャラクターが作品の中でちょっと浮いてるかなぁ〜と・・・。

t-a.jpg根っからの悪ガキじゃないっていうのは、食事前にキチンとお祈りをしたり、動物が好きでペットショップをやりたい・・・という辺りで描かれてるんですけどね。
トビーを演じるケヴィン・ゼガ−ズはどこかディカプリオにも似た感じの子なんですけど、雰囲気というか演技力がイマイチ。

あとは欲を言えば、道中トラブルに見舞われてあちこち知り合いを訪ねたりして、いろんな人が登場してくるんですけど、ブリ−とトビーの2人の旅をじっくり描いてくれたら良かったなぁ〜と思いました。
エピソードを詰め込み過ぎると、焦点がボヤけてしまう。

t-a4.jpgそうは言っても、この作品はブリ−を演じたフェリシティ・ハフマンが良かったですねー。
男性から女性になろうとしているという難しい役どころ。
ナヨナヨせずに女性を意識した振る舞い・・・しかも女がそれを演じるんですから、自然過ぎてもいけないですし。
やたらメイク直ししてるところは男性の名残りですね。
どうしても先入観でオッサンにも見えるから、それはそれで凄いかも・・・。

もう少し全体にジワジワな感じで描かれていると思っていたんですが、案外目まぐるしく描かれていました。
テンポが良いということなんですけどね。


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2007年09月01日 映画た〜は行 2000年以降 トラックバック:0 コメント:0

ハッカビーズ

ハッカビーズ スペシャル・エディション2004年アメリカ
監督:デヴィッド・D・ラッセル
出演:ジェイソン・シュワルツマン、ジュ−ド・ロウ、ナオミ・ワッツ

(´▽`)つ★★★☆☆

<ストーリー>
環境保全団体の支部長を務めるアルバートは、森と沼を救うプロジェクトを企画したが、大型スーパー「ハッカビーズ」のエリート社員ブラッドが新店舗建設計画と共に参入してきた。
そういうことでイライラしているアルバートは、偶然の意味を知るために偶然見つけた名刺にあった「哲学探偵」の元へと出向く。


偶然には意味があるのか?そして人生にはどんな意味があるのか?という、哲学的なことをベースに、コミカルに人間模様を描いた作品。
出演者には他に、ダスティン・ホフマン、マーク・ウォールバーグ、イザベル・ユベールが出ています。

hb2.jpg主人公のアルバートは真面目に悩んでいる。
3度も同じアフリカ人に出会ったのは意味があるはずだと・・・。
そんなアルバートは、環境を守るために必死でもある。
ひとつの岩を守ったと嬉々として詩を朗読しては悦に浸ったり、こういうアメリカ人っていそうだなぁ〜と苦笑してしまうキャラ。
そして、偶然の意味を知るために「哲学探偵」のドアを叩く。
そんな探偵あるのかぁ〜?と思うも、なんかアメリカならありそう・・・。
そこにいたのは、いかがわしそうな夫婦。

そういったわけで、この作品に出てくる人々は人生、環境、石油製品不買い、はたまた自分の存在意義などなどの問題に真剣になってるんですねー。
真剣だからこそ可笑しい。

hb.jpg人間は常に悩んでいる生き物だな・・・と、この作品を観るとわかってくるから妙な気分にもなりますが・・・。
散々悩んで考えると、真理は案外単純なものだよということですね。
例えば、育った環境がもたらして影響を与えてる場合もあれば、自分自身のコンプレックスを他者に投影していたり、他者から自分を認めてもらうことで自分自身を認知したり。

人は悩んでいないフリをしてるだけで、悩んでいない人はいない。
その悩みをわざわざ自分で作ってまで悩んでいる。
この地球はどうなるんだ?
石油が元で戦争しているのも、石油製品を使ってる我々が原因だ!
他者が好む自分が自分らしさなのか?
そして「無の境地」って何だ?

hb3.jpgこの作品は人生の真理を追究しているものではないので、それに関して答えはありません。
ただ、悩んでる自分を拒絶しなくたっていいんだ・・・と思わせられます。
必ず自分に共感してくれる人はいるし、その悩みは自分だけが抱えてるんじゃないというのが、この作品のメッセージかな?と思いました。
でも、この作品を観た後にあれこれ難癖つけたくなった場合は、それは物事を複雑に見たがるってことでしょうかね?
私はその部類かも・・・(;´∀`)

さて、豪華俳優陣もなかなかの好演。
そういう名が連なってるので、やっぱり観たくなりますねー。

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2007年08月08日 映画た〜は行 2000年以降 トラックバック:0 コメント:0

僕の大事なコレクション

僕の大事なコレクション 特別版2005年アメリカ
監督:リーヴ・シュライバー
出演:イライジャ・ウッド、ユージン・ハッツ、ボリス・レスキン

(´▽`)つ★★★★☆

<ストーリー>
幼い頃から家族にまつわる物を収集してきたユダヤ系アメリカ人のジョナサン。
ある日、祖母から手渡された一枚の古い写真。
その写真には、今は亡き祖父と見知らぬ女性が写っていた。
女性の名はアウグスチーネといい、祖父の命の恩人だと聞かされたジョナサンは、アウグスチーネを探すために先祖の地、ウクライナへと渡った。
待っていたガイドは、アレックスという青年とその祖父、そして犬一匹。
ジョナサンらは、小さな車で地図から消えた村「ドラキムブロド」を目指す。


監督は「ニューヨークの恋人」「オーメン 666」などに出演した俳優、リーヴ・シュライバー。
この作品で初監督に挑んでいる。
ジョナサン・サフラン・フォア原作「エブリシング・イズ・イルミネイテッド」を基に映画化。
原作者自身も映画に出演。

bdc.jpgDVDのパッケージを見る限り、独特の雰囲気の映画なのか?と思い、ちょっと敬遠していました。
イライジャ・ウッドの容姿も独特で、”オタク”な世界が全開なのかな・・・?と。
でも、食わず嫌いはいけませんねー・・・ということで、観てみたらとても素晴らしい作品でした。
登場人物はイライジャも含め、個性的。
ガイドの青年アレックスはかなりアメリカ・ナイズされていて、マイケル・ジャクソンが大好き。
ウクライナ訛りの激しい英語で、アメリカ人のジョナサンにアレコレ喋りまくる。
そのアレックスの祖父も変わり者で、盲目だと言い張るのに車の運転はする・・・そして、やたら吠えまくる「盲導犬」サミー・ディヴィス・JrJr。
そんな3人と一匹の旅が始まる。

bdc3.jpgアメリカ人なのに無口で真面目なジョナサンに対して、旧ソ連のウクライナ人なのにブロークンしているアレックス・・・というキャラの逆転が面白い。
やはり、こういうロードムービー系は、登場する人物が個性的であればあるほど良い。
車が走るウクライナの風景の美しさと、ひっきりなしに流れる音楽の軽快さも、この旅を見ている私たちを充分に楽しませてくれる。
まるでそれは、アメリカ映画だということを忘れ去るくらいの出来なんですねー。

bdc4.jpgそして、このデコボコな3人と一匹の旅が続いていくんですが、終盤になると先の戦争の傷跡を直視しなければならない事実を知ります。
ジョナサンが探し求めていた「ドラキムブロド」という村の哀しい過去。
加えて、アレックスの祖父の辛い過去も浮き彫りになります。
美しく明るいひまわり畑が見事に広がる土地で、その風景とは対照的な村の過去・・・という辺りは、本当に欧州映画のようです。
その旅はジョナサンだけの旅ではなく、アレックスにとっても自分自身を知っていく旅だった。
それにしても、あのひまわり畑は素晴らしい!!
行ってみたいなぁ〜( ´ー`)

bdc2.jpg何でもファスナー付きビニール袋に入れてコレクションしているジョナサン。
アメリカに戻ったジョナサンは、袋に入れることができなかった旅の途中で出会った人たちを投影していく・・・という演出も心憎い。

アレックス役をやっているユージン・ハッツは演技経験のない、ミュージシャンらしいです。
彼が良い味を出してるんですよねー。
そして良い味と言えば、サミー・ディヴィス・JrJr。
なかなかの演技力(?)です。
犬嫌いのジョナサンが旅が終えた時にサミー・ディヴィス・JrJrと仲良くなったシーンは、彼が旅を通して変ったんだという象徴的なシーンですね。

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2007年08月03日 映画た〜は行 2000年以降 トラックバック:0 コメント:0