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パンチライン

パンチ・ライン1988年アメリカ
監督:デヴィッド・セルツァー
出演:サリー・フィールド、トム・ハンクス、ジョン・グッドマン

(´▽`)つ★★★★☆

<ストーリー>
親のコネで入った医大から放校されたスティーヴは、スタンダップ・コメディアンを目指して、毎晩コメディ・ハウスのステージに立っていた。
その同じステージには主婦のライラも立っていたが、彼女のお笑いは客にまったくウケないし、夫からは主婦業に専念しろと言われ険悪な状態になっていた。
それでも人を笑わせることが子供の頃から好きなライラは、客のウケが良いスティーヴから、人を笑わせるために教えを乞うのだが・・・。


この作品は、試写会までやっておきながら土壇場で公開を中止した、珍しい「日本未公開作品」なのです。
試写会での評判がイマイチだったから英断した・・・ってことなんでしょうかねぇ?
今時点で考えると、オスカー女優のサリー・フィールドとオスカー俳優のトム・ハンクスが共演している・・・ってだけでも贅沢な作品。
後にこの2人は「フォレスト・ガンプ 一期一会」で親子役で再共演してます。

ちなみに、「パンチライン」というのは、お笑いの「オチ」を意味するそうです。

punch4.jpg「ビッグ」によってトム・ハンクスは日本でもそこそこ知られるようになりましたが、オスカーを取るまでの作品の知名度はやはり低い。
そんな時期のこの作品は、やはり知名度がすこぶる低いんですよねー。
で、日本で公開されなかったのは、恐らく劇中のお笑いネタが日本人にはウケないっていうのが最大の理由かもしれません。
どうもアメリカ人はシモネタが大好きなようで、そういう話がポンポン出てくるし、笑うというより引いてしまうネタが多いんですねー。
少なくとも、私はステージでのパフォーマンスには笑えませんでした。

punch3.jpgそうは言っても、スタンダップ・コメディアン出身のトム・ハンクスのテンポが良い話術は見ていて楽しめます。
でも彼は脇役で、ストーリーはライラが中心。
ライラのお笑いは客にウケないし、家ではイライラした夫と手のかかる娘たちがいる。
それでもステージを降りたくないライラは、密かにスティーヴから指南を受けていくうち、徐々に2人の間に愛情らしきものが芽生えていくというもの。
お互いがお互いのお笑いに対する情熱を垣間見て、お互いにリスペクトしていったカタチが「愛」だったのかもしれません。

punch5.jpgでも、ライラは美容院で失敗したパーマがきっかけに、自分にとって何が大切なのかを知る。
この辺の描き方がとても良い!
「どうですか!」という押し付けなエピソードじゃなく、笑いながら泣けるシーン。
ライラの夫を演じるジョン・グッドマンのキャラ的に滲み出てくる良さが、終盤はドンドン活かされていく展開が良いんですよねー。

どうしてもプロのスタンダップ・コメディアンになりたいスティーヴと主婦のライラを関わらせながら、お互いがそれぞれ掴んだものとは?
ステージのお笑いネタは面白くないんですけど(日本人にとっては)、映画のストーリーはなかなか良いですよ。

ラストも心がほんのり温かくなります。

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2007年09月22日 映画た〜は行 1980年代 トラックバック:1 コメント:9

ブラッド・ダイヤモンド

ブラッド・ダイヤモンド (期間限定版)2006年アメリカ
監督:エドワード・ズウィック
出演:レオナルド・ディカプリオ、ジェニファー・コネリー、ジェイモン・ブンスー

(´▽`)つ★★★☆☆

<ストーリー>
激しい内戦が続く'90年代のアフリカ、シエラレオネ。
ある日、漁師のソロモンが住む地域に、反政府軍”RUF”から襲撃を受け、ソロモンは家族と引き離されてしまう。
彼はダイヤモンド採掘場で強制労働をさせられるが、採掘中に大粒のピンク・ダイヤを発見する。
密かに隠そうとしている最中に監視に見つかり、その直後に政府軍が来襲。
ソロモンは混乱に紛れてダイヤをある場所に隠す。
一方、ダイヤの密輸をしていた元傭兵ダニーは、密輸の失敗で投獄された。
そこにはソロモンも収容されいた。
そして、ピンク・ダイヤをソロモンが隠していたところを目撃した監視の話をダニーは耳にする。


「ラスト・サムライ」のエドワード・ズーウィックが監督。
こういう社会問題を商業映画に仕立てるのが上手い・・・とされているだけあって、テーマがしっかりしながらも演出がかなりド派手。
ダイヤ業界を槍玉に挙げずに、「ブラッド・ダイヤモンド」に関する事柄に目を向けさせています。

blood-d.jpg事実を描く時、ドキュメンタリー風にする手法もアリなんですけど、昨今「本当のようなフィクション」と「嘘のようなノンフィクション」が混在していて、いかに事実を観客に引き付けて食いつかせるか?というところが難しいのでしょうね。
まるでアクション映画のようにディカプリオなんかは立ち振る舞いしてるし、乱射しながら無差別に住民を銃撃しているRUFの姿が強烈。
女性も子供も容赦なしに撃たれていく様子は、いくら銃社会でもアメリカが舞台ならそんなシーンは入れられない。
ハリウッドの商業映画には、女子供が撃たれてバタバタ倒れていく映画はタブーでしょうから。
まぁ、見方を変えるとアフリカが舞台だからできたんだなということでしょうが・・・。

blood-d2.jpgこの作品が訴えたいのは、こういうアフリカの内戦を長引かせているのは、私には無関係・・・などと言えるか?ということだと思います。
別にダイヤの不買いを勧めている訳ではないんでしょうけど、少なくとも買おうとしているダイヤは紛争地域のものではないことを確認してね・・・ってことでしょう。
ダイヤモンド業界では、「キンバリー・プロセス」と「システム・オブ・ワランティー」の発行で、紛争地域から供給されたものではないという保証をしているそうです。
でもこれは、ダイヤを輸出している国の人々のためではなく、業界や市場価格を守るためなんですよね。

blood-d3.jpg映画は、やはり展開がご都合主義。
ダイヤの密輸をしていた利己主義なダニーは、ソロモンに接しているうちに改心したのか、良い白人になっちゃうし。
ジェニファー・コネリーが演じたジャーナリストも、こういう手の作品に登場するよくあるタイプなキャラ。
どんなに襲撃されても、それを掻い潜っていく様はアクション映画そのもの。
そういう作りにしなくちゃアメリカ人は観ないのか?と。
でも、ソロモンを演じたジェイモン・ブンスーは良かったし、ディカプリオも「ディパーテッド」よりもずっと良かった。
そもそも、監督のズウィックは登場人物を重厚に描くことに長けているし、その手腕はこの作品にも活かされています。

さて、この作品はドンパチが派手で、アクションもののような展開ですけど、控えめに描いてる少年兵という問題も見逃してはいけませんね。
映画には直接描いてはいませんが、少女の場合は強姦されてますし・・・。


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2007年09月21日 映画た〜は行 2000年以降 トラックバック:0 コメント:0

ダブリンバスのオスカー・ワイルド

dow3.jpg1994年アイルランド=イギリス
監督:スリ・クリシュナ−マ
出演:アルバート・フィニ−、ブレンダ・フリッカー、タラ・フィッツジェラルド、ルーファス・シーウェル

(´▽`)つ★★★☆☆

<ストーリー>
1963年のダブリン。
初老のアルフィー・バーンは、ダブリン市内を走るバスの車掌。
アルフィーは文学が趣味で、特にオスカー・ワイルドに傾倒していた。
そんな彼は、バスの乗客で若い娘アデルを見て、バスの常連客らで演じる、戯曲「サロメ」をやろうと決める。
アデルにはサロメ役を抜擢し、周りからはアデルに惚れたと思われたアルフィーだったが、実はアルフィーが密かに想っている相手はバスの運転手ロビーだった。


製作者のジョナサン・キャヴェンディッシュは、オスカー・ワイルドに関する映画を作りたいと思っていたそうで、オスカー像を重ねた男を主人公にして、この作品を作ったそうです。
映画の原題は、オスカー・ワイルドの作品名「ア・ウーマン・オブ・ノー・インポータンス」を文字って、「ア・マン・オブ・ノー・インポータンス」
日本では未公開、未DVD化。

dow4.jpgオスカー・ワイルドはダブリンの出身ということで、舞台は1960年代のダブリン。
ロンドンを彷彿させるニ階建てバスは、アイルランドのカラーである緑なんですねー。
主人公のアルフィーの相棒ロビー役には、「ホリデイ」でアイリスを泣かせた二股男を演じていたルーファス・シーウェル。
このロビーをアルフィーは、”ボジー”と呼んでいたんですけど、これはオスカー・ワイルドの恋人アルフレッド・ダグラス卿の愛称なんですよ。
いかに、アルフィーは自分をオスカー・ワイルドと重ねていたかがわかりますね。

dow2.jpgアルフィーはそのオスカーの戯曲「サロメ」をバスの乗客らで上映しようとするんですけど、アイルランドはカトリック信者が多いところで、不道徳さにはとても厳しい。
ダンスも不道徳とされていて、芸術に道徳も不道徳もない・・・とアルフィーは一蹴するんですけど・・・。
アルフィーの住む階下で肉屋をやってるカーニ−は、信仰に反する不道徳さに納得いかないんですね。
しかも、サロメ役に抜擢したアデルにアルフィーが恋をしたと思い込み、二人をくっつけようとアルフィーの妹と画策までする。

初老とは言え、文学の世界に浸ってるアルフィーは変わり者だけれど純粋で、後にいろんなことを目の当たりにして、ガックリしちゃう。
そして、自分を文学の世界にだけ閉じ込めてきたアルフィーは、今まで押し隠してきた「自分自身」を曝け出す覚悟を決めたんですねー。
それを失笑する人々と受け入れる人々・・・。
この作品のテーマが「寛容と自己発見」ということで、アルフィー自身とその周りの人々の関係によって、とても素朴に描かれていると思います。

dow.jpg今でも、現実とバーチャルの曖昧さがあり、バーチャルな世界に自分自身を置いてる・・・っていう人はいるでしょうからね。
アルフィーは、芸術という世界こそがリアルな世界だったのでしょうが、現実に引き戻されたけれど、そこには人間臭い寛容な友情や愛情が待っていたということです。

さて、この作品には、「ハリー・ポッター」のダンブルドア校長演じるマイケル・ガンボンが肉屋のカーニ−、「ホーム・アローン2」で鳩のオバさんを演じていたブレンダ・フィニ−がアルフィーの妹、「チャーリーとチョコレート工場」で主人公の男の子のお爺さんを演じたデヴィッド・ケリーがアルフィーの友だち・・・と、豪華な顔ぶれでもあります。

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2007年09月19日 映画た〜は行 1990年代 トラックバック:0 コメント:0